2019年8月30日金曜日

これでは勝負にならん・・・

アメリカにいた時に感じたのは年々歳々進んでいく日本の電気製品の販売スペースの縮小でした。

実際のところそのスペースを埋められていったのはテレビであればサムスンとLG。白物家電であればサムスンとLGとハイアールなどの中国製家電。内心では忸怩たるものがありましたが、事実として売れていたのはそういった”非”日本製の家電群でした。

消費者の目線で見るとまずは価格で勝負にならない差がありました。それが唯一の勝負可能な点で、その勝負の一点があまりにも差がありすぎてその差が埋まらないまま売れ続けた非日本製の製品群が技術力をつけ、日本との差をどんどん埋めていく中で日本の製品は次第に店舗の中でそのディスプレイの場所を無くしていったのでした。

それは私がアメリカに渡った98年の時点でまだ半々くらいの感じだった日本製と非日本製のTVなどの差が、本当にあれよあれよという間に数年で無くなっていった誠に悲しい時間帯でした。

特に、巨大ブラウン管が無くなっていったのと時期を一つにして液晶、プラズマがスーッとそれに対して入れ替わっていくのと同時でしたね。
日本製が1500ドルだったらサムスン製は800ドルとかの値段、かつ余計な機能は何もないというものでしたが、実際のところその値段差を構成しているはずの機能は消費者が使わないものばかり。

しかも、肝心の画質も専門家レベルでは大いに差があるというものでしたがそんな事、アメリカの消費者にとって倍の値段を出すほどのものではないというもの。今日アメリカのDellのサイトでLabor day specialを見ていたらLGの4K-UHDが$799とか出ていてショックを受けました。

「ああ、これじゃあ勝負にならない・・・」今日たまたまヤマダ電機で同じレベルのものを見ていたら最低でも25万以上でしたから、その値段を後で知って思わずこのセリフが出てしまったのでした。これでは値段は三倍です。

いくら素晴らしい高画質で云々と言っても、これではアメリカ人のような実利第一の国民にとっては売れるものとなるわけがありません。国ごとに異なった戦略があってよかったはずなんですが、それが出来なかったのが20年続けば勝負はあったようなもの。技術があっただけに残念です。

経営陣の問題ですよね。

同じような日本製品でも、商品戦略と値付けを間違わなかった自動車は彼の国でも更に諸外国でも同等以上の戦いをしているではないですか!結局のところ経営陣の脳味噌の品質の差がこういう差になったということですな。

日本の数社の家電トップの一部経営陣が継続的に敵に塩を送った判断の誤りの歴史があったとは言え、その愚かさは会社を傾けて消してしまうだけの判断誤りだったということ。
今更時計の針は巻き戻せません。

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