この人何で看護師しているんだろう?という質問はその問うところが2つの方向に別れます。(それは医師であろうと同じでしょうが。)
病院で仕事をしていても、看護師としてあっぷあっぷ仕事をしている人もいれば、筋道立ててサラリと業務をこなしている人も当然居ます。向き不向き、好き嫌いというのを超えたところにある、これらの日常業務の遂行能力というのは私個人の考えでは単に脳味噌の余裕の差だと思っています。
それを遂行するのに50の力が必要な業務を80の能力の人がやるのと、50の能力がある人がやるのと、20程度の能力がある人がやるのでは”余裕”の差は人が思う以上にでかいものでしょう。
同じことをやっているのに、何度もミスばかりする上に、予定就業時間が終了しても何だかあちらこちらをウロウロしてばかりでちっともカルテ記載が進まない人や、逆に机に座ってカルテ記載にばかりに時間を取られている人、患者さんに対する注射や採血などの実務作業が全く苦手な人、患者さんとトラブルばかり起こすのに、その原因の殆どが自分のせいだとは全く気づかない対人関係能力の欠如した人など、欠落した能力の種類にはそう言った「足りない人達」ごとにそれぞれ異なった、もしくは複合的なものがあるわけですが、病棟を観察していて仕事が鈍くかつミスの多い人達には知能とか技能レベルでなにか大きな欠落がある感じです。
長い時間かけて、ある程度は「カイゼン」する人もおりはしますが、基本的には足りない部分が大きい人がそこを補うのは最初から”持っている人”と比べたらでっかいハンディなのです。
逆に言うと80の能力で50の仕事をしている看護師さんにとっては結構仕事の処理量としては気楽な職場(=楽しんでいる、というわけでは必ずしも無くて退屈している人もいる感じですが)であることも無いとは言えませんが、病棟の実務というのは比較的人海戦術でなければ駄目なところもあるわけです。
ですから、自分の仕事以外でも足りないところが見え、且つ助けることが好きな人にとってはこれまた忙しく、自分の仕事の範囲さえ終わればさっさと帰ってしまうような人にとっては楽な職場とすることも出来るはずですし、実際にそれだけの事ができる人も居ます。(ただ、単純にやるべきこともせずに時間が来たら帰ってしまう勘違い甚だしい輩も間違いなくおりますが・・・。)
とは言え、こういった事象は実際に職種を問わずどんな職域でも毎日起こっていること。仕事が合わないと肌では感じていても、生活ののために看護師している人も沢山おられるでしょうから、えっちらおっちら頑張りながら過ぎゆく日々を生きていくというのが多くの人にとって”普通”なんでしょう。
自分の能力と興味がマッチした仕事を見つけられるレアな人というのは幸せです。
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