2024年1月23日火曜日

説明の難しいおかしさを持つ人たち

世の中には「おかしい」人が確かにいます。

病院では統合失調の患者さんや認知症の人達とは内科医として接するのが日々ですが、正直そのような患者さんの比較的記述しやすいおかしさとは全く異なるタイプの「・・・」としか記述できないようなおかしさを持つ人が一部ですが確実に存在します。精神科の先生からしてみると、そのような私が今書いたような「・・・」としか記述出来ないようなおかしさも、細かい観察から何らかの病型分類に嵌め込んでいくのでしょうが、その「・・・」部分のバリエーションが多彩過ぎて記述出来ないという感触を持っています。

(正直な感想を言うと、精神科の先生が細かく嵌め込んでいくこのような病型分類も、個人的には嵌め込んでいく作業をしている先生自身に「何でも全ての人を何らかの方に嵌め込む作業って何かおかしくね~か?」という違和感を感じている面もあるんですけど、敢えてそこはさて措いて・・・。)

このおかしさを感じるのは、一見すると日常生活は普通に送っているのに実際に話をすると「何でこの質問の答えがそっちに行っちゃうの?」という感じの人が多くて、この手の人は殆どが自分の狭い視野から外側にある別の世界を見る・想像することが出来ないために、世間の云うところの普通という枠で測るととても普通の反応とは言えないでしょう?という反応を見せる人だと思います。

頑固という表現はまだ優しい言い方で、実際には融通が利かないを通り越して固陋というレベルで如何なる説得もその人の考え方を変えることが出来ない感じ。

例えば、人は永遠に生きないという事は誰にでも解る純粋な真理であるにもかかわらず、90を過ぎた人間を機械に繋いで何とか生かせ続けようとしたり、毎月輸血を行って貧血を凌いだり、アルツハイマー型の認知症で寝たきりで会話する事もままならないようになっている超高齢の自分の親を「何とか元気にしてください」と真顔で睨みつけてくるような人も正直なところヤバイよな~と思ってしまうんですが、こういう人達には画像で脳が大幅に委縮している様子を見せても、自分が思っている事以外は受け付けようとしないので、ロジックに基づいた説得等というものはそもそも意味を持ちません。話すだけ時間の浪費という類のもの。

こんな人達も日常の診療では相手にして冷静に振舞わなければならないのですから医療の日常はストレスの多いものです・・・って書いて締めようと思ったんですが、こんな人を相手にしているのは世間の多くの一般の仕事の日常でもある訳で、自分だけでは無いという事に思い至った今日の自分でした。(命に係わるっていう意味では訴訟のリスクが高いという意味ではヤバさ度は高めにシフトしてますが!w)


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