2024年1月30日火曜日

医療安全の闇と光

何事にも失敗はつきものです。

それは医療の世界でも全く同じ。種々の失敗の原因が多くの悲劇を産みだします。表に出ないもの、表に出ても目立たないもの、表に出たうえで問題になっているもの等「種類とレベル」は様々。しかし、その過誤は「命」に関係してくることがあるのです。

勿論、裁判として争われるものや裁判にさえならずに謝罪と賠償しか出来ないような酷いものもある訳です。

ところが、これらの医療ミスの中にはミスを犯した当人達が意識出来ていないもの、ミスを犯したと認識出来ているにもかかわらず謝罪への関与を拒む者も世の中には普通に居るのです。残念な事ですが。要するに表に出てこないんです。

実際、大学病院レベルになると一年での「提出された」医療ミスのリポートは数千件になるそうですが、一日にやって来る外来患者だけでも数千になるような規模になるとそれでも少ないのではないかと云う位ではないでしょうか。

医療安全という世界で大学病院や大規模病院を統括している人達の話を聞く限りでは、教授や医局長レベルであっても過誤の認知を拒否する者も普通に居るとの事で、そこには人としての器や倫理観、責任感という役職や見かけでは判らないネガティブなものが剥き出しにされる瞬間というのがあるようです。

勿論、この様なケースでは内部に存在する医療安全のトップとそれらの人物達が角を突き合わせて戦う事になるとの事ですが、内部的にはこの安全を取り仕切る責任者側の人間が巨大な組織の中で「身内を売る敵」として認識される事も一度ならずとの事。驚くべき事ではありますが驚く事では無いですよね。残念ですが。

看護師の中にもインシデント・リポートを書く事を頑なに拒む年長の看護師達がいます。それでは医師は?というと、そもそもリポートを書くのは医師の仕事では無いという認識しか持っていない人間が殆ど。

医療安全の大切さの認識と研究を通して医療の質を高めていく事は我々の日常レベルでの義務だという事を何度でも肝に銘じないといけません。

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