恐ろしいものです。
戦争がいま実際に眼の前で発生している国に住むという事は本当に容易ならざる現実です。アメリカでNIHにいる頃に知り合った親友の研究者に「君たち家族に何も悪いことが起きないことを祈っている」というメールを出したところ、直ぐに返事が、、、曰く「テルアビブに住んで居た息子たち夫婦がハイファの私の自宅に緊急避難してきた。で、同じ日の夜に軍から緊急招集が終了期間未定でかかってきたよ・・・」と。
最後に「まさに戦争だ、今度の戦闘では恐らく双方に大量の死者と負傷者が出る。水曜から出発予定だったスイス旅行は中止になった。残念だ。」との文面も。彼はスイス国籍も持っていて(フランス語もドイツ語も普通に喋る)、所謂二重国籍が普通であるイスラエル人の典型例ですが、毎年のように愉しみにしているその旅を戦争、しかも息子を招集される形で中止にせざるを得ない無念を考えると返す言葉もありませんでした。
その後のニュースをみても碌なものは出てきません。少なくとも数千発のミサイルがハマス主導のもとガザから発射されているとのことですが、Haaretz等によると最新の情報ではイスラエル側のカウントでさえ少なくとも4400発ものミサイルが発射されたと言われています。
幾らイスラエルのiron domeが凄いシステムだと言っても、写真を見ているとどっちがどっちのミサイルか判らないほど猛烈な量のミサイルが交差しているのが見て取れるような状況では「打ち損じ」が出てくるのも当然だと思います。要するに実質的な飽和攻撃。しかも、ガザ地区は思いっきりイスラエルの中にあるわけですから、極至近を狙ったミサイルなどは撃ち落とす時間もある訳もなく。
これから恐らく起きるのはイスラエル側からの地上軍進撃。既に空爆はガンガンやっていますが、地上軍が出てきてメルカバで砲撃を始めたら文字通りパレスチナ側はやられ放題になるのは確実。そのやられっぷりは一方的かつ完全なものでしょう。
今回の大規模攻撃イスラエル側の識者は「Unlike the 1973 war, the failure of 2023 was systemic: It was seen in the lack of intelligence, the military’s inadequate reaction and the absent of political leadership.」等と述べていますが、今後徹底的に反撃し壊滅に近い大打撃をパレスチナに与えるのでしょうが、政治家と軍人達はボコボコに非難されることでしょう。
早急な停戦の発効を期待したいものですが、今回ばかりはイスラエル側の反撃は容赦ないものとなる可能性大です。恐ろしい結末にならないことを望むばかりです。
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