polypharmacy(多剤併用による弊害)と言う単語をご存知でしょうか。
皆さんが飲む薬、歳をとるにつれて多くの人が多くの薬を毎日服用するようなことが多くなります。その薬の多くは高血圧、糖尿病、心不全、通風、リウマチ、便秘、喘息、アレルギー、鎮痛、不眠等の薬であることが多いのではないでしょうか。
薬というのは殆ど全てのものが両刃の剣と一緒で、何かの体の異常を治療するために服用すると実際にはその目的以外の体の異常が出ていることが無いわけではないのです。ですから、製薬会社は服用方法や量を厳しく指示するわけで、効果最大、副作用最小となるように腎機能や肝機能のレベル、心疾患その他、年齢も含めた種々の条件を考慮しながら注意喚起とともに使用させる訳です。
それでも、加齢に伴って一種類が二種類、更にもう一剤という感じで増えることが自然になってきます。そうなると今度は薬同士の相互作用が単剤での副作用に加えて新たに出現するわけで、これが時には「禁忌」レベルのリスクをもたらす事が頻繁に発生するのです。それは医師でない皆さんが知ったら驚くほどの頻度。
ところが、ある患者さんがA医院でX先生がある疾患に関して出した薬と別の疾患でB医院にも行っていたらY先生から別の薬を出されてそれがバッティングして危険な反応を出すこともあり得るのです。
ですからお薬手帳というものがありまして、ある所で出されている薬剤を他の先生もきちんと見ることが出来るようにシールなどを貼って毎回誰でも観ることの出来る情報として出すわけです。
しかし、ある病院のある先生はこれを出したがらないなどという事もあるようで、私個人としては有ってはならない事、というか言語道断だと考えます。どの病院の何という先生がそんな事をしているのか見聞きした範囲で覚えるようにしているのですが、そもそも患者にはそういう情報を保持する権利があるわけで、それを阻止すること自体が法に反しているわけです。
実際、薬を切ってみたらあれが治ったこれが治った等という笑えない話は幾らでも私の身の回りで聞きます。新しい時代の先生ほど薬は可能な限り少数で切れ味良く使うという傾向を持っておられるようですが、昭和の頃に免許をとった先生の一部には驚愕の多剤併用を恬として恥じぬ方も居られるようで…。
もし御自分がいろいろな薬を併せ、毎日服用しているような薬の種類の合計が6剤を超えているような方は、況や10剤を超えているような方は何らかの副作用が出ていないか一度疑ってみることも必要かな考えます。
本当に全て必要なのか?多剤併用で出ている副作用を抑えるための追加処方になっていないか?慎重な再検討はいつでも大切です。
0 件のコメント:
コメントを投稿