2022年1月3日月曜日

生き方それぞれ

少し前の話ですが、昨年末に志摩の方に行ってフグを食べた話をしました。

ところが、私がここで帰りがけに聞いた話はなかなか「生き方」を考えさせられる話でした。その話はごく短時間のお話で、タクシーの運転士さんから聞いたものなんですが、聞いていて次々にその先の話を聞くような話。

安乗の漁港やその周辺の人の少ない(言っては悪いのですが)辺鄙なところで住んでいることでタクシーの仕事をしていてコロナの影響はどうでしたかというようなお話をしていたのですが、取り敢えず国から補助金が出ていたので生きることは出来たという話ですが、コロナの影響は実際に大きかったという話でした。

志摩といえばスペイン村のお客さんが中心なのかと思っていたのですが、意外と季節に関係なくこんな寒い日でも志摩スペイン村に来て寒い日をわざわざ選んで来る方々もおられるそうです。

さて、この初老のオジサンのお話を伺っているとその話のイントネーションから三重の人にしてはやや大阪弁のイントネーションが強めだなと思っていましたので(三重の人達も私からすると不思議な関西弁そのものなんですが)「ここで生まれ育った方ですか?」という素朴な質問をしたところ、「いや、私はここに移住してきたんですわ。」との話でした。

ここに移り住んだ?というのはタクシー運転手になるためではなくて、子供さん達は既に成人されて面倒見る必要もなくなって奥さんと二人でこの三重の志摩半島に東大阪から移り住んできたとのことでした。

では何でここで?というのが疑問だったのですが、以前から和歌山などに釣りに行っていたとのことで、その趣味が高じて何時でも自分の家の傍で釣りができるところに住みたいと言うのが強い願いとなって奥様とお話をした挙げ句この志摩半島に移住されたとのことです。

実際に志摩半島で暮らしてみると、金はもうかからんし年金とタクシー会社で働く給料で十分とのことで、何の贅沢もしない代わりに自分にとっての「贅沢」である釣り三昧ができることで楽しい日々を送っているとのことでした。

その話し振りと楽しそうな笑顔を見ていると、正直「楽しそうだな~」と感じてしまいましたね。

派手さが全く無く、淡々と生きていく生き方も、己の趣味にどっぷりと忠実に浸かっている生き方を贅沢と言う言葉で表現したくなったのは私の自然な感覚でした。


0 件のコメント: