2022年1月17日月曜日

自閉症の息子のルーチン・ワーク

長男には自閉症を持つ子に比較的特有な他の人から見るとなかなか理解できない行動上の「こだわり」があります。

一般的に言って傍目には「何してんの?」というような行動でして、家族にとっては全く気にもしないようなことなのですが、それを知らない人から見ると十分に「変」と思えるレベルの行動が多いのです。特に息子は見かけ上は(何らかの行動をとったりしない限りは)障碍など何もない人に見えますので、息子が何らかのアクションを起こした時などには4歳位の子供さんにさえ「?」という様な顔をされる事もあります。いわゆる「怪訝な顔」という奴ですね。w

実際にはどのような行為かと言うと、幼かった頃に特徴的だったのは「モノを並べること」に対するこだわりがその第一番でしょう。小さな頃からレールの上に列車をズラッと並べたり、ミニカーを何十台も並べて嬉々としていたり等というのが大変目立ちました。これはアメリカにいた当時、NIHの他のドクターの息子さんでAutismと言われた息子さんを持っていた方も全く同じと言うことでお互いに「お前んところもか!w」という感じでした。

それから歳が上がるにつれて少しずつその「こだわり」にもバリエーションが入ってきました。なかでも目立つのが床面や椅子等の「大きな板面」をズボンを履いたままのお尻で一旦横にずれながら「拭いて」いきます。椅子が六脚あればテーブルの周りを回りながら6回同じようにその椅子の座面をお尻でなぞる訳です。

また、他にはテーブルの上や柱を端から端まで丁寧に一定の方向に拭き上げることを止めません。そのワイプ作業の途上にある蛇口やモノも拭き上げたりする為、実はある変化が起きています。

それは全くそれらのものに経年変化を思わせるような汚れが着かなくなってしまうことなのでした。メッキの部品はぴっかぴかを通り越してギラギラしていますし、本来ならある程度黒ずみが点いても良さそうな部分などもいつまで経っても新品の様です。まあ、それを「良いこと」と捉えるしか無いのでしょうが、実際には困ったことがあって、この作業を一定の手順と時間を掛けて終えないことには長男の気持ちが収まらないらしく、途中で端折らせて終わらせるとかなり「怒る」のです。その被害の矛先は嫁さん。ときには胸などを強く叩かれて私に怒られたりします。

トイレ掃除などもこれらのルーチン・ワークに加わりますので、寝る前に余計な15分くらいの時間を取られるわけです。これ以上そういった定型的な作業が増えないように気をつけてはいるのですが、寝る前の掛け布団の角合わせなどは実に軍隊レベルのしつこさ。まあ、好きにさせてますが。

自閉症。いろいろと他にもまた変わった行為はあるのですが、今日はこのあたりで止めておきましょう。


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