2022年1月20日木曜日

是非観てください

数学の天才が挑む軍部の矛盾との戦いとなるような予告編をアマゾンでチラッとみて「アルキメデスの大戦」興味を持って観ました。

K-19 、Das Bootなど戦争映画の中でも戦闘員の心理描写とリアルな描写を通じて戦争の酷さを描くものや、永遠の0のようにフィクションを通じてその無益さを見せつけるものなど様々ですが、何の予備知識も持たず観はじめたアルキメデスの大戦は予想を大きく上回って良い映画でした。

もともとコミックがオリジナルだとウィキに書いてありましたが、プロットが秀逸。オリジナルのコミックとはまた違った時間軸で物語は紡がれているようですが、少なくとも映画は正座してずっと観ててもいいと思えるものでした。

横で何気なく一緒に観はじめた嫁さんも観始めると後は釘付け。菅田将暉の美男子ぶりに見惚れたのも大きいのかもしれませんが、少なくとも私はその美男子ぶりは認めつつも物語に描かれる大きな大きな海練(うねり)はその向きを二転三転させながら最後には私の脳味噌を大きな衝撃で揺すりました。

反戦というのは色々な行為の中でも「言うは易く行うは難し」であることの最たるものではないでしょうか。日頃「反戦」を党利党略の中で語るような人間を私は全く信じませんが、この映画は反戦への想いを示すもう一つの表現法だと感じました。

ネタバレになりますので、いつものように中身には触れませんが、一旦映画が終了した後にもう一度その冒頭の戦闘シーンに戻っていくと、アメリカと日本の人間に対する考え方の違い、戦闘に対する思想の違い、科学対精神論、日本はそもそも戦争に勝てる要素など当初より一つも無かったのにGDPの4割を軍備に使って大艦巨砲主義の戦争に突入し、莫大な損害と人命を失ってこてんぱんにやられた訳です。

年寄りに国を任せると多くの場合碌な事にはなりませんな。我々もそれなりの年寄りになったら、若者に助言と資金援助はしても、いつまでも俺が俺がと主役になりたがって人や組織を誤った方向に導くような老醜は晒したくないものです。


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