時代の移り変わりとともにいろいろなものが変わってきます。
昔々の「女には高等教育など要らぬ」等という現代では意味不明の呪文からは開放された現代においては、女医さんという言葉さえそれが存在する居場所がなくなるほど女性が医師となることは普通になってきました。それは私のようなおじさんにとってさえ日常の現場で実感する事実です。
私が医学部の学生だった頃は定員100人がその一学年の入学者だとすると、女性は10%前後でした。少なくとも我々の上下数学年分はほぼそんな感じで一定していたと思います。それが今の時代下手をするとクラスの半分を超える程度の女性が居るとか?
私が知っている最高齢の現役の女医さんは私の近隣の病院でパートの老年科医師として働いておられる神戸大学卒、しかも神戸大学の女性医師第一号の方ですが既に齢80過ぎです。この先生の思い出話というのを以前伺ったことがあるのですが、当時は女子学生自身が着替える場所というのがそもそもない上に、学生棟のトイレにも女性用が無かったために、交渉して職員用のトイレを使っていたとか、実習用の着替え部屋もなく、教室の後ろに衝立を入れてもらってそこで更衣したとか今の時代では日本昔ばなしのようなお話です。
その頃のことを考えれば女性医師が普通に活躍している今の時代はまさに「隔世」の感がありますね。
ところが現場では今逆のことが起きているのです。女性医師が結婚、出産を経てどうしても修行と就業の時間が削られてきます。その分を現場で補うのは男性医師。男女平等などというのは逆の意味で皮肉な意味にとれる時代になってきています。男性が当直や残業の負担を増やすことで現場が成りたているというのは女性の前では言わない我々の友人達の意見です。バイト先も女性医師には楽なところばかり医局で配られて云々などということを言う人まで・・・。
特に外科系などは現場の負担は結構なもので、そもそも働き方改革の中では外科系を志望する人間が減っていて、かつ現場の負担は上昇している中でこれから一体どうやって優秀な外科医を一定数維持していくのか結構上の先生方も同僚たちも頭を抱えていますが、これからはアメリカなどと同様に「真の意味で」男女に一切の背景考慮をせずにプロモーションや配置転換を行い、当直もどこの病院であっても無条件に入っていただくというのが普通になるのかもしれません。
そういう意味では昨年大騒ぎされた幾つかの医大での男子の入学者の点数を底上げしていたと言う操作を行っていた現場の先生方の気持ちの裏側にあるものが何だったのかは容易に想像がつこうというものです。
今の時代、教育において男女平等であるというのなら東京女子医大の存在自身が既に「?」となってしまってるわけですが、対抗馬として誰かが東京男子医大を作ったら世間の皆様からは「総スカン」なんでしょうな。w
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