2020年6月24日水曜日

歳取ると独り言が増える?

病院の入院患者さんに精神科疾患の方が多いので、普通の人達だったらビックリするようなことも院内では普通に流してしまうことが本当に多いです。

外来の待合の場所では虚空に向かってズーッと呟いている人なんて言うのは普通ですし、眼を瞑っていながらも明らかに誰かと対話しながら話し続けている人もいます。電車の中でそういった人を見たら多くの場合近づかない様にするなんて言うのが普通の人の普通の反応かとは思うんですが、結局の所、そこ以外では珍しいものでも日々見ていると見向きもしなくなってしまうというのはどんな事象においても共通の事かとは思います。

例えば(意識して行ったことはありませんがw)きっと、六本木ではロールス・ロイスやポルシェやフェラーリが走っていても特に誰かが振り返るようなことも無いのでしょうが、それが九州の田舎で走っていれば、車好きの少年達はきっと振り返るでしょう。

同じことが精神科の患者さんの「比較的特異な行動」に対しても同じで、病院内は当然のこととして、近隣の住民の皆さんも、我々の病院の周辺では患者さん達が比較的普通に歩いていても、問題行動の多寡はあるにしても特に通報があるわけでもありません。

さて、今日書こうと思ったのはそういう事ではなくて、病棟の看護師さんの中にいる「独り言」の多い人の話なんです。見ていて共通しているな~と思えるのは、独り言が多い人の殆どは還暦を過ぎている人が多いということでしょうか。

要するに加齢に従って独り言が増えるのか?という疑問を挟みたくなるほど独り言を発しながら仕事をする高年齢者の人が私の周りには多いということなんですが・・・。JRの駅構内の人の指差し確認ばりに殆ど全ての行為に独り言を発する人もいれば、不安を消すために周りの人に聞きながら仕事を進める人もいます。物知りアピールなんでしょうが、己の考え方を全部回りに説明しながら説教調で仕事をしていくお婆ちゃん看護師さん。

ネットで調べると、真偽の程は別として、こんなことこんなことも言われていますが、精神科領域では無い言語化の能力や処理と関連して研究されているようです。まあ、何事にも病的レベルというのはあるものですが、自分が思考過程を外言語化している事自体に余り気づいていないようであれば、統合失調や記憶・認知能力の低下なども疑っていくのも大事な手順の一つなのかも知れません。(ワーキングメモリの低下なんでしょうか、上のリンクの言説に従えば?)

あなたの周りにそんな人は一人も居ない!と言うのであれば、それはそれで静かな環境で寂し目の職場か内言語化能のまともな人達の集団なんだろうなということでしょう、きっと。


0 件のコメント: