受け持ち病棟では心肺停止に対応するための講習(BLS/ALS)を定期的に行っています。
若い看護師さんだけでなく、救命救急に慣れていない他病棟から来た看護師さん、そしてその様な講義を聞きたい、習いたいというヘルパーさんや事務員さん等も一緒に交えてドリルになります。
通常、看護師さんたちに対してはその脇で同時に進めるべき挿管準備、モニタリング装置のセットアップ、CVの挿入補助のドリル、それと同時に行う注射と輸液セットアップなども行われるわけですが、このパートは更に細かく分けてドリルすることになります。
さて、今回のドリルは主に心肺蘇生の前段部分である心マッサージとアンビュ・バッグの使用法のドリルだったのですが、この講義では手技が確実に施行されたときにどれほどその後の身体脳機能の回復に役立つのかという理論と統計学的な事実を述べた後、実際に私自身がダミーを使って、見ている皆の前でどの部分をどれくらいの速度でどうやってプッシュしていけば良いかを見せます。
その後、各自でそれをコピーしてもらいながらその所作が間違っていないかを確かめていくわけなのですが、今回そのドリルでは人数が少ない時にはどうしても一人が行う心臓マッサージの時間が長めになってしまうことを想定して、女性にも一人最長二分というプッシュを実感してもらいその疲れの蓄積がどれほど「知らずしらず」心マのクオリティーを下げていくか実感してもらいました。
ところが、今日のドリルを行って数人ずつ実技を行ってもらう中で、一人の若い女性看護師さんが患者さんに跨って心マを二分間してもらった後、「あー、キツイキツイ、フラフラです。」と言って本当に床に倒れ込みそうになりました。
最初は周りのみんなでじっと見ていたのですが、いつもの元気な感じが無くなって本当に疲れ切った様子でしたので、思わず「蘇生ドリル用ダミーの横で本物の人間をレスキューするとこだったよ~」という話になりました。新人の彼女にとっては今回のCPRの講習はまさに実際の心臓マッサージの実技のキツさというものを実感して貰う良い機会になったと思ったのですが、実技講習の後「もう少し持久力を付けるようにトレーニングをしておこう!」と話しました。
後で知ったのですが、この看護師さん昔から貧血が酷くてこういった心肺能力を試すような運動は大の苦手だったようです・・・。知らずに頑張ってもらうことになり、ちょっと申し訳なかったかな・・・と後で反省しました。
今後は講習前に持病や体質の有無もチョロっと聞いておいたほうが良いなと思った講習となりました。
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