2025年2月19日水曜日

2型糖尿病のコントロール

昨日の我が家の猫の糖尿病の事を書いていて思い出したことがありました。

それは何時も「必ず」やって来るビックリするくらい糖尿のコントロールがされていない患者さん達の事。私の場合は平均すると、そういった患者さんの外来への登場は年に数回以上という感じになるでしょうか。

登場パターンは二つあって、一つ目は今まで病院なんかかかった事が無いというような感じの比較的高齢者の方で、最近何か小便が近いとか痩せてきたとか具合が悪いとかいうので調べてみると尿糖は++++とか出て居て随時血糖はHighで簡易測定器では測定不可で、良く調べると600越えとかいうもの。HbA1cも、勿論12~15%前後の方々です。

もう一つのパターンは今までに糖尿の治療を受けていたものの、ある時点から様々な理由で糖尿の治療を放棄。最終的医には糖毒性の巨大な波に追い詰められ、激ヤセした状態や酷い視力障害や神経障害で緊急入院というパターンです。

何故治療を放棄するのかという事に関してはまさに人様々なのですが、面倒くさい、ズボラとかいう理由だけでは割り切れない複雑な背景が垣間見えるものです。インスリン治療などを開始した場合などには一日三回血糖を測定してその状況に合わせてインスリンを指示量を決めてショットしていく煩雑さに耐え切れなくなる人、服薬を続けていたのに認知症の進行でその一日三度の服薬が無理になったり。中には「もう何もかも面倒くさくなった。生きるのも面倒臭い」と言って、治療行為どころか来院さえも辞めてしまう人も。

その最後は警察からの電話で”自宅での死亡”に伴う貴院での来院時の投薬内容照会依頼、とか”ボロボロになって”病院に緊急搬送等というパターンも。

体の疾病といっても、その背景には生活習慣や経済的背景、家族構成、遺伝的背景、人間のどうしようもない人としての性等、とても一概には片付けられない要因が無数に散らばっており、糖尿病の治療を難しくしています。

iPS細胞を使って「日常レベルで」インスリンを分泌できるシステムを体に再構築できる時代がそこまで来ていると思うのですが、私が生きているうちに仕上がるのでしょうか?

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