後部座席に座って運転手さんが運んでくれる次の御家庭、次の御家庭という様に順繰り廻っていました。ところが、行く先々の道で何時もは見る事の無いような光景を繰り返し繰り返し見る事になったのです。
マンホールの蓋を開けてその周りを柵で囲っているところで数人の作業服を着た男性達が忙しそうに何か仕事をしているのでした。一目見て思ったのは埼玉の件。74歳の男性が運転するトラックが左折した瞬間に陥没した道路の大穴へと吸い込まれた件です。
結局、あの一件以来全国で役所に向けて大量(短期日で3000件?)の「市民通報」が行われると共に、役所の方も危機感を持ったのでしょう。異例の速度での対応だと思いました。
しかし、大変なのはこれから。実際の所、今まで延々と作られた新規下水道管が特に大量に敷設されたのは今を遡る事4‐50年程前。そして、それらのダクトがその下水から発生する硫化水素ガスの影響で管の上側に大量の腐食クラックが発生している訳です。
こういう施設というのは作ってばかりではなく、メンテナンスこそ金がかかるものだというのはバカな自治体が作った誰も使わないハコモノを視れば容易に判る事。下水道も地下に有るから見逃しがちですが、これだって時間が来れば大規模に対応しなければいけないものばかりです。
因みにアメリカでは、下水管を掘り返して再工事をするのではなく、送り込んだ巨大なチューブを埋め込むことでその大きな手間を省く事の出来るシステムで大金持ちになった人物がいる事を以前メリーランドで知り合った男性から聞いた事がありますが、そのシステムを日本でも導入すれば、随分お金が浮くのではないかという気もするのですが。
それにしても、私が本当に気の毒なのはあのダクトに落ちて消えてしまった74歳の男性。常識的に考えて、この寒さと食事無しの中であの年齢の方が生きているとはとても思えません。本当に失礼な素人考えですが、初期の段階で自衛隊のヘリなどの出動による男性だけの救出等は無理だったのか等と考えてしまいます。あの男性が俺の親父だとしたら、絶対にそういう事を訴えていたような気がしますが、その場はその場で我々の伺い知れぬ別の困難があったのでしょうね。最初は声が普通に聞こえていたという話ですので、一層そういう素人考えをしてしまうのでした。
恐らく、こういう事件は大なり小なり日本でも起きているのでしょうが、報じられない小規模なものも沢山あるのでしょう。そして、これから大規模なものが発生しないと誰が言えるでしょうか。まさしく明日は我が身です。
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