どのような職業であれ、どんな業界であれ内側に居る人なら「ええ、実は…」と言って知っているような事でも、外の世界の人からしてみれば顎が落ちるようなビックリするレベルの内輪ネタでも敢えて外に話すような事でも無い…という事で広まらない話も一杯ある訳です。
大ネタ小ネタ沢山あるのでしょうが、ネットの時代になって久しい今では「積極的に探せば」幾らでもそのようなネタは拾える訳です。そんなネタの一つになるのでしょうが、医療業界では放射線読影のバイトというのがあります。
昔から知られているのは乳腺の読影のバイトというのがありまして、乳腺専門の外科の先生などが一件ワンコイン(まあ、500円)で次々と読影をしていくというものがあります。他にも胸部単純写真の読影なども昔からある放射線科の先生のバイトの一つだと思います。
ネットの時代が普通になってからはこの読影のバイトにCTの読影というのが自然に入って来ていて、A病院やB病院で撮ったCTの画像をある画像解析の会社等が遠隔で医師を雇って次々と読影をさせて所見を書きつけたものをもとの病院に送り返すというもの。
勿論、読影にはendorsementという責任が伴いますからいい加減な事は書けません。もし書いたら裁判などになった時には徹底的に追及されますからね。(大学病院や日赤などの巨大な三次救急レベルの病院は放射線読影のスペシャリストを何人も常駐で雇える施設ですので、我々の様な規模の病院とは訳が違います。)
ところが、この送り返されてくる所見のレベルというのが読影者によって全く異なるのです。本当に大違い。勿論、読影の得意・好きな臓器というのが当然あるでしょうから、脳の画像を読ませたら異様に細かく読む人も居れば、消化器の画像に強い人、呼吸器に強い人等も当然居る訳でそのバランスは様々。
その中でも感心するほど高度な「読み」をしてバリバリに鑑別診断を上げて来る先生も居れば、非放射線科医のこちらにでも「おまえ真面目にやれ!」というような読影をして来る輩も居て本当に玉石混交。コレで金取るってのは無いわな~という所見に対しては遠慮なく「再読影」のリクエストが出来ます。
多分、再読影のリクエストが多い所見を書く先生には会社の方でお断りが入る可能性もあると思うんですが、そのあたりの諸事情までは知りません。
こういった読影、恐らくはこれから更にAIに取って代わられてこういうバイト医の仕事はそのAI所見を最終的にendorseする高レベルの放射線科医のみが残る様な気もするんですけどね…。
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