2024年9月4日水曜日

無理筋の電気自動車

 ボルボから「一つ目」の白旗が挙げられました。

以前、ボルボを退職された優秀な営業の方とお話をしたことがあったのですが、その方と純粋なEVの近未来の事を話したことがあります。二年前の話ですが、ボルボが2030年までに自分の会社の車を全部EVで構成してしまうという話に関して、私見として「Xさん、ボルボ自身があんなこと言ってますけど、インフラの整備の速度とか全個体電池への見通しとか考えたら、とても2030年という断定的な直近の未来での前者EV化って絶対のレベルで無理でしょ?しかも、それで自分を縛ったら下手したら会社としての自殺じゃないですか?」と話をしたのです。

すると、そのXさんも私に話を合せるという感じでは無く、問わず語りという風に「私もこれは到底不可能って感じてます。どこかの時点でギブアップして発言修正をする事になるんじゃないでしょうか…」というお話をして下さいました。実際、他のカスタマーの人達の話を聞いていても、充電インフラや足りなくなると思われる発電所の新設などを考えてもそもそも計算が全く合わないという事で話が落ち着いた事を覚えています。

ボルボが一社だけいきり立って早期の全車EVという目標を立てて環境先進企業というイメージを定着させたいというのは気持ちとしては良く解りますが他の会社もそれに追随する、若しくはテスラや中国政府全面支援のBYDを含むエレキ専門の自動車会社と対抗するのが果たして賢明なのか否かは2024年後半の各社の現況を見れば嫌という程トヨタの戦略の正しさが身に染みると思います。

そもそも、計算を細かくしていくと車としての全ライフサイクルを見据えた「トータルでの」ピュアEVの環境負荷の大きさが見かけとは完全に異なるものである事を知れば知るほど、ドヤ顔でエレキの高級車に乗っている御仁達を見る度に「XXX悪そう」と思えてしまうのです。電気自動車に乗っている方、御免なさいね。^^ 

特に火力発電が多くを占める国々においての電気自動車ってもう話にもなりません。実際にそれを解説してくれているサイトでの最新の統計を見てもとてもとても、電気自動車推進国が必ずしもそういった「二酸化炭素の排出抑制」に寄与していない事は明白。まさにイメージ先行のインチキです。政治そのもの。

結局、9月4日付のニュースではボルボが2030年時点での自社製品の完全EV化目標を撤回と発表されています。その声明の中で「ジム・ローワン最高経営責任者(CEO)は「当社の未来は電動化という信念に変わりはない。ただ、電動化への移行は直線的ではなく、顧客と市場は異なるスピードで動いている」との見解を表明した。」という、あんた達以外の誰もがとっくに理解してた事を今更になってというような事を言っています。

今のボルボに買いたいと思えるようなピュアEVが無い事だけは確かです。

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