主役はゆりやんレトリィバァの演ずるダンプ松本。私より五歳年上の彼女なんですが、丁度私が大学で貧しく女っ気の全く無い、本当に「男おいどん」のような学生時代を過ごしていた頃と重なります。
物語の粗筋などは例によって書く事は無いのですが、最初から自分の学生時代と重なるいろいろなイベントや周りのものを見ながら「あの」ダンプ松本や長与千種等のデビュー当時の状況や生い立ちが非常に明確に判る画像が続きました。
当時の女子プロレスというキワモノ扱いのイベントの裏側がどうなっていたのかが良く解るように本当に細かく作り込まれているシリーズ画像でした。5話で完結だったのですが、最初はフムフムくらいで眺めていた画像に次第に引き込まれていき、エンディングに向かっていく頃には視るのを止められなくなってしまう自分がいました。
最後の最後のほうではなんかその物語に滂沱の涙を流している自分…。
あの頃の話の裏側はこんな感じだったのかと改めてこういうプロ興行の世界の裏を垣間見たという感じでこの物語を視続けましたが、俺がしょうもない学生生活を送って居た頃にこんなに激しく自分の人生と闘っていた女の子達が居たんだという事実を知って改めて茫然とした次第でした。
女子プロレスというショー・ビジネスの世界を裏も表も見せたドラマと云って良いと思うのですが、このドラマの監督さんって本当に優秀だと思うと同時にもうこういった質の高いドラマというのは大きな資本を持ったNetflixやアマゾン等のような外資にしか創れないんじゃないかと漠然と思ってしまうんですよね。
金をかけなくても良いドラマを作ることは出来るかとも思うんですが、言語表現上の制約やスケールを考えずに金を注ぎ込める自由度の高さというのは駄作を産む可能性もあると同時に、金をかけなければとても出来なかったような素晴らしい作品も作る事が有り得るわけで、今回の極悪女王は後者であったと思います。
ダンプ松本の「実はいい人伝説」というのは前から知られていた事なので改めて言うようなことでは無いのですが、自分の置かれた糞のような人生の初期セットを種々の努力の末にぶち壊しながらその世界でのし上がっていく様は何時見ても、誰の成功譚を見ても気持ちの良いものです。
貧乏人生まれの自分にとってもある種のルサンチマンなんでしょうね。^^
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