2024年4月2日火曜日

国の医療行政は滅茶苦茶

また製薬会社が潰れたようです。

埼玉の協和新薬という会社ですが、負債は4億。それなりの会社と思っていたのですが、ジェネリック薬製造や他の大手の下請け製造を行っていた会社のようです。

正直なところ、これは国家による計画的な追い込みだと思っています。別にイン暴論とかじゃなくて医療業界の内側に居る人間なら、特に日常的に処方を行っている普通の医師なら、日本の薬事行政がどれほど歪んでいるのかは痛みとして知っている筈。

無数の小さな会社群は国家が決めた薬価に従った薬を造り続ける必要があるのですが、その製造のコストは種々の素材の高騰からどんどん上がり続けているにもかかわらず、その国家統制による「薬価」というものは二年に一回という間隔で定期的にかつ急速に切り下げ続けられていくのです。

本当に驚くような薄利しか出ていない状況が続いている状況で、原価割れをしている薬剤も薬価改定の度にドンドコ増えていく様で、厚労省がジェネリックの使用80%を目指してその数字自体はほぼ達成された今では多くの小企業は死屍累々。日本の中でも体力のある中規模以上の有名会社は「まだ」息をしていますが、大手でもない限りは中規模の企業であっても既に新薬を創るような体力は奪われているような現状です。

医療費の抑制をしたいのは良く解りますが、金の卵を産むニワトリを殺す何処かのバカの寓話を目の当たりにしているような感覚を持っています。国内の産業を維持する気の無い愚かな厚労省を見ていると「目の前の節約に一生懸命になる余りに自分の子供の腕が感染症で切り落とさざるを得なくなった極端な吝嗇家の婆さん」の話も思い出しました。

気がついた時には、国内では重要な素材産業も無くなり、海外に生命線を握られるような事態が近づいていないか心から心配です。

そんな時代が来る頃にはこの地獄の製薬システムを作り上げた”老いた”役人さん方達が患者になるころ、己の作ったシステムによって「薬が無い」何て事にならないとも限らないと思うんですが?

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