大丸別荘という福岡の老舗旅館。
多くの方々がニュースに接したと思われますが、温泉の水を週一回以上総入れ替えし、かつ塩素濃度を一定以上に保つように常に気をつけなければならない筈のこの旅館が実は年二回、盆と正月にしか水を入れ替えしておらず、そもそも塩素などは気持ち程度を入れときな~という指示を山田という五代目社長自らが指示出ししていた上に、保健所には虚偽の報告を出していたという話。
しかも、その結果としてレジオネラ肺炎の患者を出していたというのですが「最大基準値」の3,700倍のレジオネラ菌が検出されたといいますから、湯に浸かった人達は殆ど人体実験の標的レベルのリスクの中で金を払って湯に浸かっていたことになります…。
あな恐ろしや。
レジオネラ肺炎で我々医師が普通に思い起こす言葉は、おそらく「在郷軍人病」と言う単語です。これは1976年のアメリカ・フィラデルフィアで執り行われていた在郷軍人大会(Legion)における原因不明の大量の呼吸器疾患の発生に因んで名付けられたものですが、実際には循環システムを持つエアコンや加湿器などの空調機器や温泉などの「水」が関係する所で発生するレジオネラ肺炎が有名です。原因菌は主にlegionella pneumophilaなのですが、多種多様な症状を堕すもので、早く正確に診断してキノロン系の抗菌剤をきちんと処方しなければなりません。
しかし、この山田真という70歳の社長。五代目ということなんですが、HPを開こうにもforbidden状態。記者会見も何度もネット経由で視ましたが、驚くほどに他人事感丸出しで、他の類似事件などから一切何かを学んだ形跡が無いですね。笑うほどに。
そもそも最初はこの社長を探し出してインタビューを行なおうにも、「社長不在」という事で逃げ回っていたことが歴然。もう本当に漫画に出てくるようなポンコツ・キャラです。w
とんでもないのは被害者の方々で、昭和天皇もお泊りになられた事があるというこの老舗旅館も残念ながらこの五代目が潰すことになるでしょう。年齢的には恐らく40歳前後の六代目は既にスタンバっているんでしょうが、我々の世代的にはオフコースの歌ではないんですが「もう、終わり~だね♪」と言う状況でしょうな。
そもそも、こういう恐ろしい事を平気でするポンコツがトップに就いてる世襲ポンコツ旅館の料理その他が再利用した食材とか、期限切れの食材を使いまわししていなかったのかなどということまで勘繰ってしまいます。別に下衆でなくとも勘ぐりたくなりますよ、と。
150年の歴史もここで終わるのかと思うと、地元にとってもある程度影響はあると思うんですが、後継者も150年の間にここまで劣化するという良い例として今後も影の経営史として経済学や公衆衛生学の材料として記録されていくことでしょう。
馬鹿を頭に据え続ける家族経営の負の側面がモロに出た良い(悪い)れとなってしまいました。
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