別の病院の明らかに有能と思われる精神科の先生とお話をする機会がありました。
バイト先で出会ったこの先生ですが、患者さんや患者さんの家族への説明、更にはその診断、そしてその先に有る治療の道筋の明快な解説とピット・フォールを聞いているといつも自分が病院で聞いている「並み」の先生方の能力とはどうもかなり違うレベルで上級であるという気がしました。
その先生と帰りがけに話になったのですが、その先鋭が切り出した話は内科の先生によるコンサルで「ある一人の患者さんとの話し合いが異様に時間がかかるんですけど、どうしたもんでしょうか。堂々巡りの話を切ろうとすると”死ぬかもしれません”などという感じで、話が切れなくなるんです。」との相談事でした。ではそれをどう捌いていくかというと…ということを今日は伺う事ができたのですが…。
その先生によると、話を切ることで非常識な解決手段に訴えてくる人間を相手にすることはその人間による状況のコントロールを際限なく許していく鳥羽口を提供することになりますから、それが拡張してくると非常識な世界がその「患者」のコントロール下に置かれるリスクがあるので、明快に最初から払い除けることが患者さんの為にも重要ということでした。
要するに「あなたの我儘は”普通の人達の世界”では通用しない」という現実をしっかり認識させることが患者さんを現実世界で生きていく普通の人に戻す大切な方法論です、ということ。
なる程ね~と思わず言ってしまいました。まあ、私が同じ様な患者さんに出会ってもおsンナに我慢すること無く「じゃあ次の方!」というように言い切ってしまう可能性のほうが遥かに高いので、最終的な結果自体は比較的同一になってしまう可能性が高いのですが。^^
理屈に合わんことをガチャガチャ言ってくる輩が大の苦手の私のところに診察に来ても、おそらく最初にこの精神科の先生にコンサルした内科の先生のような「我慢強さ」はあまり無いので、二度目の診察は無いという気がします。ただ不思議なことなのですが、何故か私の内科外来には毎度毎度こっぴどく私に怒られて呆れられて、いろいろと小言を言われるのは判りきっているのに絶対に外来から消えない患者さん達がわんさかやってきます。
変化を起こしきらない私の怒り方が足りないのか、依存症系統の患者さんってそういうキャラなのか。精神科医でない私の所にやって来る内科疾患を持った精神科の患者さんにはその依存を綺麗サッパリ切り取るということもなかなか上手く行く訳もなく、大変申し訳ない気がしています。mOm
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