2023年2月23日木曜日

薬の副作用を軽くみてはいけない

いろいろな薬をいろいろな年齢層の人が服用しています。

特に年齢が上がると、降圧剤などを中心として「毎日」服用する薬が少しずつ増える傾向が明確です。最初は降圧剤、次が高脂血症の薬、更には糖尿病や高尿酸血症の薬、更に年齢が上がってくると心不全の薬や便秘薬、人によっては睡眠薬や抗認知症薬なども。これに合わせて胃薬なども入ってくることはごく普通です。

結局、多くの薬を同時に服んでしまう状況になることが多くなってきますが、それぞれの薬の相互作用というのは実際に多くの問題を孕んでいます。実際には単剤でも注意すべき相当の副作用を持っている薬も沢山あり、それらに他の薬が噛み込んでくることで予期しない副作用が飛び出してくることは常にあります。

これには個人の遺伝的背景の差による薬の作用の違いも大きく関与していて、薬の効力を決める腎や肝の機能の差、存在する酵素の発現量の差のみならず、免疫システムの反応の差による激烈な副作用なども残念ながら起きるときには起きます。

さて、そのような副作用を外来や入院病棟で診るかというと実際にこれが頻繁にあるのです。これがポリファーマシーという状況で、入退院時や気になった時に年齢や服薬状況を考慮しながら「減薬」というのを行うことで、リスクとベネフィットのバランスを取りながらその副作用を減らしていくチャレンジを行う事が良くあります。

薬剤に使うお金を減らすのは単なる結果ですが、医師の投薬によって疾患を「数値上」改善して、全体のコンディションとしてはリスクをグッと上げるような行為は避けなければなりません。しかし、言うは易く行うは難しとは良く言ったもので、漫然とその投薬を継続しないようにする事は意識をしないと大変難しいのです。

特に他の科の専門家が進行に投与した薬の積み重ねの結果として多剤併用になっている時などは本当に悩みは深いのです。それでも、五剤を超える薬を毎日服用されているかた、更には十剤を超えるような服用状況にあるかたは一度かかりつけの先生にその事に関して「御相談」をされる事を真剣にお勧めいたします。

因みに、私は田舎の両親が服用している薬に関してはその情報を送ってもらって、その状態に近づかないように時々チェックを入れている次第です。


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