昔と違ってたくさんの電気を喰らう今の車。バッテリーへの負担もデカイものなのでしょう。実際今日変えたのはメイン・バッテリーのほうなんですが、このバッテリーを一つ交換するだけで、45,000円も飛んでゆきます。そして、主に車の信号等での一時停止時にエンジンの再始動を行うサブ・バッテリーが32,000円となっているので、バッテリー交換だけで7万円台の半ばです。バッテリーに7万円か~と考えると思わず「う~む」と思ってしまうのでした。
さて、今回のバッテリー交換時に問題となった車載コンピュータの自動診断装置の表示の件でお互いに最近のコンピュータによる診断システムに関するクルマ談義に花が咲いたのですが、実際にショップの専用コンピュータの最終診断がA-2と出て、それを更に見てみると「XXXのYYYに問題が有ります」というように出て来ても、それが必ずしも正解ではないとのこと。そこで、その診断のチャートの枝分かれの途中で診断の方向を一旦ぐいっと人為的に曲げて「もう一つの方の枝」を検索させて調べていくのだそうです。
結局そういうところは人の経験と推論のなせる技らしいのですが、今度はそこからが問題。今の時代例えば診断がついたときに「XXのロジックボードに異常があります!」何ていう形での最終診断になるとそのボードを交換するだけ…。そして、そういう事が増えているんだそうです。要するにどんな部品でもアセンブリ交換というパッケージでボコッと替えるような事ばっかりなんだそうです。
この整備士さんが話されたのは、昔のクラシカルなエンジンなんかだと、音を聞いて推理したりすることがかなり大きなウェイトを占めていたし、そこに当たりをつけていく過程は経験と能力が「物凄く」大きなウェイトを占めていたといいます。この点はアメリカでいろいろと車をいじっていたので私もよく解ります。
ところが最近の車は上に書いたように何かの電子部品を外して取り替えるだけとか言うのがメインの仕事になってきて「最近はタイヤ交換とオイル交換ばっかりやってます。何だかな~って自分でも思いますよ。」と自嘲気味に笑われていました。
昔から人間の仕事の中身は時代の要請に合わせて変わってきましたし、それに乗っかることが出来なかった人達は辛い目に遭ったりしてきたと思います。しかし、今の時代は想像を超えて、いろんな仕事の中身が強制的に異様なまでの外圧で加速して変えられていく事が増加している時代なのでしょう。
我々医師の仕事もこの整備士さんの嘆きと重ならない時代が来ると誰が言えるでしょうか。まあ、その頃には私ももう引退しているでしょうが。
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