毎日行っている作業所の先生の書いてくださる連絡ノートから息子の「やらかし」が判明しました。
以前も何回か書いたことがあるのですが、息子は自閉症で言葉によるコミュニケーションが取れないタイプの青年です。発語に関しては基本的には反響言語、いわゆるこちらの言葉をある程度の緩い正確さでコピーして繰り返すことが出来る程度です。
そういう息子ですから、言語によるコミュニケーションは大きな制限を受けており、ある程度毎日生活の中で繰り返し使用する単語による簡単な指示動作などで理解を得ることが中心です。例えば「食べる」ということ「トイレに行く」こと、その他「もう寝るよ~」等という言葉に対応する息子なりの単語というものが存在しており、家族やごく近くで活動している作業書の先生などはそれを理解して使うのですが、周りの人は当然それを理解していないのが普通なのは仕方ありません。
ところが、今回は先生が少し目を話してしまったスキに息子の事を気遣って「作業を終えて早く帰っていいんだよ」と息子に囁きかけてくれた軽度の知的障害のある女性の手の甲をガブリと噛んでしまったのです。自閉症の子に良く有ることなのですが、自分に内在する決められた手順が何らかの外的要因でスキップされると感情の平静が大きく阻害されることが多いのです。今回も恐らく早く終わらせられたことによる通常手順のスキップが原因だと推測されました。
手の皮がちぎれるような事態にまでは至らなかったのはまだ不幸中の幸いでしたが、当方は女性のお母さんには平謝りでした。その方は「大丈夫です、お気になさらないでください。」との優しいお言葉をかけてくださったのですが、翌日はその女性に菓子包みをもって謝罪させて頂きました。
今までも、怒りを爆発させてステンレス・ボトルを壁に抛り投げて壁に傷をつけて以来それを作業所に持ってくるのは禁止になったりしてはいたのですが、今後我々の手を離れ共同生活をしなければならないような歳になった時に、我々の居ないところで怒りを爆発させて逆に同居者等から殴り返されたりするリスクも当然有るわけですから、そのような行為は厳しく叱責して抑制していかなければならないのですが、如何せん最初に述べたような言葉の壁があり、それを理解させるのには大変な苦労があります。
今回も女の子の手を噛んだ後、逆にしおらしくしていたらしいのですが…。
言葉が通じないというのは本当に大変困難な世界なのです。orz
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