当初より予想されていた展開ですね。
およそ免疫や生物系基礎科学の従事者であれば誰でも予想していたと思うのですが、ワクチンがmRNAのシークエンス改変だけでいくらでも作られるわけですから、変異株が出現してくる度にそのスパイクの変異に合わせた製品を出し続けるだけです。
結局、Pfizer/BioNtechの研究で、二度打ちでかなり確実に今回のコロナ・ウイルス防御が可能だと判った上で行われているワクチン打ちが今の世界のファイザーのやり方。ところが、三回目を打ったらどうなるかということも実際に疑問として残されていました。
この応えがどうやらきちんとした形で出てきそうな様子で、BioNtechのニュースサイトでは3回打ちだと2回打ちに比べてその2回打ちの5-10倍の抗体量が産生されるというお話。まあ、これくらい大幅なブーストがかかると鉄壁のように思えますが、これに似た話は65歳以上の高齢者にワクチンを打つときには3週間ではなく3ヶ月程度期間をわざと離して打ったほうが抗体の産生量はドカンと増えるというものです。
ただ、今回の戦略でオリジナルのワクチンの抗体の産生を超大量にブーストする事で変異に対応するのか、それとも変異に対する対応シークエンスを純粋にもう2回打っていくのか、それとも、オリジナルのシークエンスを混ぜたミュータント対応シークエンス入りのmRNAワクチンを供給してくるのか?
一旦物凄い量の抗体産生を完全に押さえ込むレベルのワクチンが世界中に拡がったらおそらくは「コロナが収束した世界」というものが登場するのも夢物語では無いと思えます。とは言え、ワクチンを打たない人々というのは必ずある一定数がどのポピュレーションにもいますので、変異を体内で作り続ける感染者集団というのが永遠い続くことになるでしょうから、季節ごとの変異株ワクチン・ショットというのがほぼ予想される一番確かなストーリーになるのでしょう。
ただ、少なくとも今は全ての事が過渡期ですし、どうなるかをじっと見守っていくしか無いのでしょう。そして、何時の日にかその変異シークエンスが体の中の重要な分子の類似シークエンスにかなりの程度重なって、自己抗体として変な副作用を及ぼさないことを祈るばかりです。
無論、十分にスパコンで前もってその程度の事は調べたり臨床試験もきちんとしてから出ては来るのでしょうが。
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