2020年9月5日土曜日

「バカだからわからない!」という開き直り

病院で一騒動ありました。

私としては「はー」という様なしょうもない1件なのですが、彼女達には大事件だったようです。何が起きたかと言うと事のあらましは単純でして、隣の精神科病棟からCOPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気の終末期の患者さんが入院してきたのでした。ところが隣から移動してやってきたこの患者さん、熱とか無いんですがよく咳をする。乾性咳嗽と言って良くある症状の一つなんですが、看護師さんたちにはある理由でこの咳が気になっていたんですね。何時も以上に。orz

実はこの患者さんのいた病棟に居たお婆さん看護師が外のスナックに行って、そこのマスターがコロナ陽性だったとうことで調べたらお婆さんも陽性というオチ。ちょっと前このブログにも書いたお婆さんです。悪い人ではないのですがイワユル「アホな人」ですね。院長から厳しくリクエストされていたにもかかわらずそれを無視したわけですから、本来なら馘首のはずなんですが温情でレスキューされえいます。医療従事者という自覚はもちろんゼロ。

さて、そのお婆さん幸いにして一切病棟業務などにも関わること無く病院自体に来ることも無く病院からは隔離されていた上に、病棟の医療従事者全員に対してコロナ抗原の検査を行い取り敢えずは全員陰性となっていたんです。

ところが、業務が終了する段階になって夜勤明けの看護師さんが「あの咳はコロナ陽性の患者さんのものではないのか」「だとしたら私達は家に帰れないじゃないか!」と騒ぎ出したんですね。当直していたんで電話に出たんですが、即座に思ったのは「・・・」という事なんですが、敢えてここは書きません。w

この人達をちょっと哀れに思う気持ちも出てきたので、じゃあ抗原検査でもしましょうかということにしました。患者さんに検査のことを説明し、謝りながら検体採取。結果はもちろん陰性でした。結果を見せると何故かバツの悪そうな顔をしていました。別にこれが陰性でもコロナフリーというわけでもないわけですが・・・。

まさに科学とは対極にあるPhobiaそのものなのですが、こういう科学的リテラシーの無い人達も普通に医療従事者として病院で働いているわけで、コロナの検査に関する科学的スクリーニングの意味や原理を説明しても、高校でも物理や化学をとったことのない人なんて看護師さんの中にも実は普通に居て、正直なところ患者の感染の時期と経過や検査の原理と絡めて陰性や陽性、偽陽性や偽陰性等の理屈や確立を説明してもチンプンカンプンなんですね。

物事を本質的に理解するためには幾ら例え話で表面を滑るような説明をしたところであくまでその理解は上っ面。特にある一定レベル以上のことを理解するためには話の聞き手のほうも当然その理解ための勉強をしていて、かつ知的水準もある一定以上でなければ正直無理です。

物事を理解するために必死にその説明にどこまでも喰い付いてくる人も当然居ますが、それは一部。逆に一部の人は「私頭が悪いからわかんな~い」という人もおりますので面倒です。なるべく易しく解るように説明をしようというこちらの意図も善意も全無視ですから、この手のアレな人達には付ける薬はございません。

「学び」というのは学校を卒業してから始まるもの。小さい頃に「勉強」を押し付けられてなんとかここまで資格を取得してきた人達には学校を卒業したゆん感から始まる向上のための学習というものは全く理解できないんでしょうね。

ただ一つ思うのは、こういう人達に育てられた子供達はどういう大人になるんだろうという小さな疑問のみです。彼等の子供の人生に幸多からんことを。


0 件のコメント: