2020年4月27日月曜日

世代が急速に若返る病院の看護師さん達

完全週休二日制の導入以降、当院に入ってくる若い看護師さん達の数が格段に増えました。

コレ自体は少し前にここでも書いたんですが、最初にドッと入ってきてそのまま辞めるなんて言うことが起き無いとも限らないのがこの世界。今どきの若い人達は一箇所で頑張るなんて言うことは特に問題にしていないでしょうし、そもそも日本は戦後の高度成長期を除けば、実は転職というのごく普通にあったことらしいんですね。

ですから、その会社に骨を埋める方向で一所懸命働いておりさえすれば、別に高い能力がなくても取り敢えずは「そこそこの一生」を送れた良い時代がまさに昭和の中期以降の人口ボーナスの時代の特徴だったんだと思います。

翻って現代。若い人を中心にした世代は人口オーナスの時代に生きている訳ですから、収縮していく日本ではそんな事はなかなか期待できないわけで、自分で「ここはダメだ」と思ったら意外と簡単に一流企業でも自分から見切りをつけてスキル獲得を目指して動き続ける能力を持った人達の一群も意外といるようで、優秀な仲間と組んで企業を立ち上げリッチになるリスク・テイカーも一部にはいるようです。

まあ、通常は看護師さんの場合はそんな冒険者的な感じではあまりないのですが、それでも看護師としての資格と経験があれば比較的容易に病院や施設感を渡り歩けますから、スッと来ていつの間にか辞めて次の病院に移っていく人なんかも結構いつでも、そしてどこの病院にもいます。この世界は今のところは何時でも売り手市場。

ところが、嬉しい事にここ二年ほどの間に当院に来てくれた看護師さん達は、なんというか今まで私達の病院に居た看護師さん達とは感覚やスキルの違う世代みたいで、よく勉強をする上に非常に謙虚に仕事をしてくれます。しかも、人当たりがよい人が男女ともに多い。

最初は危なっかしくて「うーん、大丈夫かな・・・」という子達(私にとっては自分の娘と同じ年頃の子達です!)も一年かけて先輩が気を使いながら育ててくれた後では本当にいい意味で「これがあの子かね~?」と言うくらい脱皮してくれる子の多いこと。

その変化を感じているこの二年の私は「この子達が後十年もするとこの病院の屋台骨となって支えてくれる事になる」という事を(口に出して彼らに言うことはありませんけれども)真剣に感じるようになり始めています。

世代の交代というのはこうやって起こるんだな~というのを「感じる」と言うより「日々見せつけられる日常」は、彼らの親父さん世代とほぼ一緒である私にとっては何だか感慨深いものがあります。

アメリカに居る娘達もこうやって社会の中核を担うようになってくれるのだろうかと考えるとき「なんとかそうなってくれ!」と念ずる親としての気持ちが強く重なってくると同時に、仕事が違えど、住む国は違えど、娘達と同じ世代の子達が日々患者さんに献身的に尽くし、学ぶ姿を見てもやはりもともと細い目が更に細まってしまうお父さんなのでした。

変な方向にズレて育たないように、ご両親から預かったつもりで,看護師さんとしてどこの病院に行っても「あなたは使える!」と言われるような看護師になってもらうためには、今語も気を抜かずにきちんと継続的に系統的に教育していかなければならない、と大きな責任を感じる日々です。


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