2020年4月25日土曜日

精神科の患者はコロナ感染でも差別され得る

当院でも、当初の個人的予想通り全面的な面会禁止が更に5月末まで延長されることになりました。

とても5月6日に終わるわけがないとは思っておりましたが、言っても詮無きことなので言いはしませんでしたが、他の医師も内申では同じことを思っていたことと思われます。

現在、当院では多くの患者さんにおける病状説明は、ほぼ全て外からかかってきた電話に対する医師からの説明で対応する状況になっています。少しでも内科病棟に入院しておられる高齢者の方々や、精神科病棟に入院しておられる患者さん方をコロナから守るための非常の措置です。

患者さんを外に出すことも出来ないし、家族さん方を入院中の患者さんに会わせられないなどというのは我々にとっても全くもって心外そのものの措置なのですが、仕方ないのです。ほぼすべての家族の方々も納得してくださっているのが幸いですが・・・。

しかし、実際にコロナの感染者が患者さんから出たらどういう事が起きるか考えただけで暗い気持ちになります。もともと精神科病院の患者さんを何らかの非精神疾患で緊急の処置を要する状況で受け入れしていただくときも、正直なところ余り良い顔をされないのが現場の現実なのです。善悪ではなくて外の方々にはなかなか理解していただけない我々にとっての毎度の現実。

そこにコロナが重なってきたらどういうことになるかというのが、実際に先日神奈川で起きました。

それは神奈川のS病院で、患者さんと看護師さんの計8名が新型コロナウイルスに感染したのですが、最初に陽性になっていた40代の措置入院(外から緊急で入って来られた患者さん)を感染症の専門病院に転院させるべく県に相談し、必死だったのですが実際は県側でも転院先を見つけ出すことが出来ずもとの精神科病院で、それ専門の施設もないのに治療せざるを得ず、その間に感染が院内で拡大したというものでした。無理もありません。

私達は本当にこれらの事態を見聞きした時、高度の感染症対策を行っている病院でさえ院内で拡がるケースがあるというのに、正直これは無理だろうと思いました。

まったくもって「明日は我が身」だとしか思えないのです。



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