2019年1月18日金曜日

死に際して会えない親子が普通に・・・

最後を看取って貰える人は今後それだけで幸せと言われるようになることでしょう。

そもそもそういう時代にもうなっている気もします。
今の時代、まだまだ年老いた親の世代が生んだ子供達は60再前後という方々が多いのですが、それでも親の世代の頃のように兄弟姉妹合わせればその数が7−8人という時代ではありません。

多くても3−4人という時代に突入しています。この数も「多くても」というのが私の皮膚感覚でして、その高齢者世代の子供達は2−3人の兄弟というのが良いところ。下手をすると今の還暦前後の世代でも一人っ子だったり二人兄弟であることもごく普通です。

ですから、高齢者の親御さんに万一のことがあっても親の居る田舎からは既に遠く離れて暮らして何十年とかいうのがこれまた普通のパターンとなっているのに加えて兄弟数が少ないので、病院から連絡できる実務上役に立つ方々は高齢者の兄弟の子であったりすることも多く、実質的にはケアやお見舞いの仕事もそれほどする義務はないものの、血縁者の一端として善意で病院に来て下さる方々も以外なほど多いのです。

そのような現代社会では万一のことが起きて患者さんが亡くなられても、すぐには会いに来れない迎えにこれない等というパターンだけでなく、“今日を乗り切るのは無理かもしれません”という連絡をするときでも、病院には来られないもしくは亡くなってから連絡をください、と前もって連絡をくださる方も・・・。

テレビ・ドラマで見るような、家族に周りをぐるりと囲まれて意識薄れる中でサヨナラの涙のなかで人生を終えるというようなエンディングというのは限りなく数が減っていくだろうと予想されます。

何と言っても今どきの夫婦の平均的な子供は2を割り込んできていますので、今後もこのトレンドは暫く続くでしょう。
付き合いの深い親戚などの数もどんどん減り、本家のジジババの家に季節ごとに集まるといイベントも少なくなっている今、そもそも現代人は自分の死ぬ瞬間において誰かが傍らに居てくれるということ自体を期待するのが間違いなのかもしれません。

今日もある先生の患者さんが一人寂しく冷たくなられたのを見てそのことを感じた夜でした。

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