2018年10月25日木曜日

移民の準備はOKか?

実質的な移民政策の開始と言ってよい法案が激しく議論されています。

現在の日本でさえ語学学校や農業の技能実習、工場での単純作業などを含めた正規、非正規の”実質的な”外国人労働者が日本の底辺の労働を様々な形で支えています。底辺というのは語弊があるのでしょうが、単純労働者といい換えたほうが良いのかも。

実際のところ、コンビニ業務のような結構なレベルの日本語も必要とされる業務でさえ名古屋では中心部に限らずベトナム、中国、タイ、カンボジアなどの名目上”実習生”と言われる実質的な基幹労働者が日本の様々な職種に就いているのは現場でその人達を見ている我々にとって間違いない日常でしょう。

今回の法案が通ったら、単純労働者でさえも5年間もの長期労働ビザが許され、それが熟練と言われる労働者に認定されると今度は家族を呼ぶことが出来て実質的な永住(準備)状態へと変化を遂げるわけですから、物凄い変化なんですが、、、国民的議論が進んでいるかと言われればこれは全くナシのつぶてで、実質的には自民党の部会でガタガタやっているだけ。

すべての議論をすっ飛ばして例えばこの法案が通ったとしましょう。日本側にそれだけの準備ができているのか?答えは全くのNOだと思います。

日本での生活導入を円滑にする教育施設、日本語教育の為の広範な援助施設、夫婦に子供ができたときの保育施設、そして人達に対する医療と将来的な年金制度の整備などほぼ全くスカスカの状態で始めることになるのではないかというのが私の強い強い懸念です。

制度的受け入れでさえそれだけ大きな懸念が予想されるのに、日本人の我々はそういった非日本人である人達への心の準備は出来ているでしょうか?制度の準備以上にその心構えは無いと思うんですが私の杞憂で済むことを祈るばかりです。

トルコ人を大量のガスト・アルバイターとして導入し続けた西ドイツが戦後辿った移民問題の苦悩を21世紀の日本がより難しい多国籍移民国家とてそのパンドラの箱を開ける準備ができているのか・・・。甚だ疑わしいとしか私には思えないのです。

拙速は巧遅に勝るという言葉が当てはまらない良い例でしょう。

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