2018年10月12日金曜日

後医は名医・前編

我々の業界用語でしょうか、よく言う言葉に「後医は名医」というものがあります。

言葉の意味は読んで字の如くなんですが、意味はよく考えると我々医師にとっては大変に重い意味を持ってきます。

通常、最初に患者さんが病院にやってきて、診察を受けます。疑わしい病気云々を推定する前に、生活歴、職歴、個人の病歴を含む家族歴などの問診や触診、視診、聴診、打診を含めた神経学的検査、家族歴、血液検査、画像検査、認知症検査等、挙げたらキリがないようないろいろな検査を時系列でいろいろな部門の協力を得ながら進めていくわけですが、医女が色々表に出てきやすいものもあれば、突出した数字や状態のない状態で難しい判断を迫られることも日々あります。

とはいえ、他院から紹介されてきたりする転入院してくる患者さんの場合にはほとんどの場合、何らかの診断名がついて紹介されてくるのが常です。

XXXX症、XXX症候群、XX骨折、X病、XXXX癌のXステージ等と書いてあり、その診断根拠となったそれらの疾患に関する診断歴等のデータを見てなるほど、フムフムという感じでその先生方がその診断に至るまでの思考過程を”再度”私の中で再構成することになります。

自分自身でも、これなら比較的すぐに判るだろうなというものから、高度な専門性を有する疾患だったり一生に一回遭遇するかな?というレベルの疾患であると、「ウーン、これは自分自身ではとても確信を持ってこの診断治療に至るのは無理だな」というものまでバラエティーに富んでいます。

しかし、自分のところが初診である時にはこのような素晴らしい前情報もなく、観察も当日からスタート、データも乏しいわけですから診断に至るまでにある程度の時間がかかるわけです。しかもそれが正しいという確証はどこにもない訳で。(もちろん、前医のものが必ずしも正しい訳ではないのですが。)

そういう訳で診断と治療が開始され治療が始まるわけなんですが・・・。
(続きは明日また書きたいと思います。)

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