直後にスマホの速報で知ったさくらももこさんの訃報。
実はお盆の間に亡くなられていたとのことで大変ショックを受けました。
彼女と私は年代的にだけではなく、年齢そのものが全くの同級生。たった二ヶ月彼女のほうが早く生まれているだけで、彼女の描く小学生時代のちびまるこの世界はもうドンピシャリ私の幼少時の世界と重なっていました。
私が考えるももこさんの凄い才能というのは、実に何気ない誰にでも起きているような連続する身の回りの日常を描写しているだけなのに、それを見る人をして誰もが「ああ、この感じあるある!」と感情移入させた上で、その話自体が大きなうねりを持つ山あり谷ありの筋を描いていて非常に面白いというもの。
こういうのはただならぬ観察力と感受性があればこそ、という正に才能のなせる技ですよね。それが本物であることはエッセイを読んでも直ぐに分かりますし。
今、手元に緑の表紙のさくらさんのエッセイ「あのころ」がありますが、短い文章の中にも「よくまあこんなに何気ない日常を、楽しく描ききるんだろう」と、その観察力にはただ脱帽です。
漫画の原作家としての才能はやはり折り紙がついていて、それが漫画という形でも表現されたんですね。だからどちら向きに作品を“書いても、描いても”人を楽しませる事ができたのでしょう。
何をやっても駄目なまるこを自分と重ねて少しづつ脚色を入れてちびまるこちゃんを書かれていましたが、自分の世代の輝ける星が乳癌によって奪い去られたことに悄然としてしまいました。
乳癌で人が亡くならない時代は確実にやってくるのは間違いない。しかし、その日が来ても彼女と彼女の才能は二度と平成以降の時代には戻って来ない。
しかし、きっと彼女の世界観と才能を受け継ぐ若い世代が現れるのであろうという近未来を私は信じて止まないのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿