引き続き大成功でした。
外来で精神科の患者さん達を相手に開始した禁煙外来。我々自身は一年近く前から禁煙外来のセッティングを済ませていたのですが、禁煙用に使われる筈のメジャーな2つの薬である貼付型のニコチンパッチと飲み薬タイプとして作られているニコチンがその受容体に結合するのを阻害するブロッカーの2種類が「製薬に関する手順の隠蔽と誤魔化しに伴う薬事行政の破綻」というとんでもない理由で供給されないという事になり、名前だけの禁煙外来となっていたのでした。
ところが、今年に入ると比較的豊富にこの薬が「今まで禁煙外来をしていなかった病院」にもリッチに供給される様になりました!(破綻前に禁煙外来をしていなかった病院には、当初、問屋が薬を廻してくれませんでした。)
これによって「タバコを止めたくてもどうしても止められなかった」と言う人達が、数ヶ月前からこの禁煙外来にやって来てチャレンジを開始したのです。
実際のところこの禁煙外来というのは禁煙チャレンジの開始においていろいろな条件設定があります。まず初めにチャレンジする人は禁煙外来において、チャレンジを開始する前に病院から渡された説明書きをじっくりと読んでもらわなければなりません。その上で、同意書にサインをすることが求められます。更にこの禁煙治療というのは保険を使って行うことが出来るのは年に一回のみです!
ですから一回失敗したら一年は再チャレンジできないのです。ところが、なんとなんと、いま私の禁煙外来で自分から申し込んできた内科や精神科の患者さん達は次から次へと大きな問題もなく禁煙に成功してくれています。これは嬉しい誤算でした。
もっとも、禁煙外来の成功率と言うのは規定の5回の禁煙外来に通院しきった人達に限ればほぼ2人に1人が成功し続けると言われています。(9ヶ月後の時点で!)しかし実際は1人も脱落しておりません。(呼気中のCO濃度で常にモニタリングして嘘を見抜き続けるセッティングになっています。)
嬉しいのは精神科の患者さん達はなかなか我慢できずに白旗を揚げるのも速いのではないか?という私の私的かつ主観的な予想をいい意味で裏切ってくれていることです。とは言え、禁煙チャレンジ開始直後などはイライラして来る人が多くて病院にいる私に内科外来経由で外線をつないできて「どうしたら良いですか!先生」などと窮状を訴えてくれる人も居ますが、カワイイものです。
今のところ、そういった方々も私の「長くしつこい説明」に納得をしてくれて、最終的には禁煙してくれておりまして、外来に来ると「先生!今では全くタバコのことが頭をよぎりません!お金が浮いてます。w」等と話しかけてきます。実はその反動の一つとして、料理が美味く感じるようになって少し太り始めてます…と言う人が増えているのは少し困った反動ではあるのですが。
種々の癌、肺気腫、老化、循環器系疾患、その他諸々の病気と強く結びついた喫煙行動を止められるのならば、禁煙外来は素晴らしい福音だなと心から感じるこの頃です。
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