2021年12月8日水曜日

車の修理・家電の修理

3日ほど前から後部ドアの右側が「開かないこと」が時々発生するようになりました。

車を購入して5年半が経過しましたが、こういう感じで故障箇所が発生したのは初めての経験です。いつもは何も起きなくてもリコールの通知が来て、その通知をお店に電話で相談すると通常は直ぐに作業の予約日時と時間を確認してくれます。

作業が軽いものでは30分程度で、長引くものだと代車の確認をして日時をとってくれますが最大でも一日あれば済むものばかり。朝借りて夕方には返すような段取りのものがほぼ全てでしょうか。

ところで、今回仕事の終わった後に車を代理店に持っていってメカニックの方とお話をさせていただいたところ、おそらくは後部ドアの開閉に関連している3つのモーターの何れか一つが壊れている可能性が高いという話でしたので、早速コンピュータで診断にかけてもらうと予想通りで「ドア用モーターの力が正常に伝達されていない可能性あり」という御宣託が返ってきました。

今の時代、分解してその中のモーター一つを交換するなんてことはもうしなくて、当然のようにそのモーターを含むアセンブリ全体の交換というのが日常とのことで修理金額を尋ねたところ「およそ4万円ちょっと」とのことでした。モーター一個が壊れても全部を換えて工賃を入れるとその程度にはなるということ。いまのところ10回に一回程度の作動不良ですので、まあもう少し様子を見ようとは思っているんですが、そのうち頻度も上がってうんともすんとも言わなくなるのでしょうかね。その時はギブアップして持ち込みですが。

メカの方が自虐的に言っておられたのですが「私達メカニックはもう今では修理屋じゃなくて自分達のことを交換屋って呼んでます。」との事。しかし、これって別に車だけじゃないですよね?昔はテレビの修理なども技能検定みたいなのがあって、普通に修理の箇所を見極めて半田ごてを使ってトランジスタやコンデンサを交換するようなちょっと素人には手が出せない系の技術やさんが町の電気店には居たものですが、今では診断用のPCにカプラを突っ込んで車は故障診断され、あっと言う間にアセンブリ交換。電気製品に至っては診断もせずに保証期限内であればほぼ回路基盤ごと交換とか製品そのものを新品にして壊れたと思われるものはそのまま持ち帰っていってしまったりする始末。

技術が高度化してかえって我々の日常生活からは技術がワークするための根本的な原理というものを理解するチャンスと言うものが遠ざかたり、失われたりしているような気がしています。

我々が子供の頃は時計も歯車やてんぷが目に見えていたので、バラしてもその原理が推測できました。しかしスマホはそうはいきませんし、デジタル時計も同様。デジタルの時代にはアナログで見えていた部分がどんどん基盤の上に置き換わってしまって技術者との距離は遠くなるばかり、下手すると技術者自身も自分の回路と関係ないところは何が何だか…という世界になってきているのではないでしょうか。

世の中も先に進めば進むほど各部門は先鋭化していってお互いの世界が見えづらくなるという絵面は、何だか自分のいる医学の世界や研究者の世界にそっくりです。

多くのエリアを俯瞰して物事を先に進められる人の必要性も逆に大企業や研究開発部門では高給で迎えられる時代ですが、私のようなレベルの者はとてもとてもその天才レベルの世界を伺い知ることさえ出来ません。テクノロジーの最先端エリアでそのレベルの活躍ができるのはいつも世界最高級の企業でも僅か数名程度ずつだと思っています。残り99%はそれをサポートする枝葉のスペシャリストだと思ってます。

人類の進歩っていうのはやはりAI無しでは成し遂げられない特異点がどこかに来るのでしょうね。

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