2020年2月5日水曜日

二極化している在宅医療の訪問先

以前も少し書いたのですが、ピンからキリまである在宅の訪問先の話をもう少しだけ細かく書いてみようと思います。

この前の記述ではエアマットのベッドと畳に直に寝るようような家の話もそれとなくぼやけさせた感じで書いたのですが、家の中の種々の様子を書いてみたいと思います。(差し障りがありますので、既に訪問診療を終えた方の家のことを書きましょう。)

上のレベルの家というのは基本的に交代で来るようなお手伝いさんが居て、24時間患者さんである家族の一員を誰彼と無くケアしているような豪華なお家住まいのお家。
この手の「上」の方々の家というのはまあ、質素も豪華もあるのですが、基本的にはお金持ち感満載でも私達的には何となく冷たいという感じでしょうか。

多分、この感覚は家の中における人と人との距離感が私にそういう事を感じさせるんだと思います。で、もう一方と言うか対極にあたるのがいわゆる四畳半一間とか三畳+キッチンに家族三人で住んでいるような家。未だにそういう家もあるんです。建物自体が間違いなく私の年齢よりも古く、いわゆる昔の「文化住宅」風の家に老いた両親ともしくは片親と息子何ていうパターンが結構多いんです。

しかも、家の中には比較的ペットを飼っているというか野良猫なんかが飼い猫として餌を与えられて自由に出入りしているような家がよくあります。猫はまだ良いのですが、小型犬を飼っている家でお婆ちゃんが認知症とかになっていると比較的家の中が悲惨なことになっていることが多いんです・・・。どういう意味で悲惨かというとあまり詳述すると具合が悪くなる方も居ると思われますので、書きませんがイワユル糞尿系というやつ。

犬を飼っているカゴの周りに煮しまった畳があって、そこがもうオシッコでふやけたような状態のところなんかもあったり。また、これは私の担当家庭ではないところなんですが、他の先生の行かれているお宅などではおじいさんの周りにいつもゴキブリがワラワラと走り回っているようなところもあるそうで、こういうのは流石に勘弁願いたい。w

しかし、清潔感に対する閾値というのは各家庭で大きく異なるので、めちゃくちゃ汚れて醤油で煮しめたような布団に寝ていてもそれを何とも思わないような家庭の人達がいることも私が訪問診療のバイトをはじめて事実として良くわかったことで、こんな生活していたらそれだけで健康を損なうわな・・・と感じてしまうのですが、それを相手に伝えるわけにもいかず、なかなか大変です。

役所の保健婦さんや相談員、訪問看護師、薬剤師、食事の配達人、リハビリの人達など多くの人が関与している訪問看護ですが、こりゃ当然金もかかるわなって感じです。
厚労省って、こういう所まで制度設計して金がかかるっていうのをわかった上でやり始めたんかな?それとも、最終的には訪問看護を一斉にぶっ潰す大きな仕込み爆弾を隠しながら現在の行政を進めているのかな?

訪問看護。多くの地事業者が関与していますが淘汰の波もまた厳しいのは当然だと思います。


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