2020年2月3日月曜日

名古屋の中の緊急医療体制

病院では本当にいろいろな事が発生します。

通常の疾患でもデータに疑念が残るようなことは素直に専門家に紹介し、自分の診断以上のものを求めてそのエリアの専門家に尋ます。誤診によって自分のところに尋ねてきている患者さんの人生を台無しにすることは許されませんので、症状やデータの改善が見られないときには紹介状をサクッと書いてセカンド・オピニオンを求めます。

そのような状況に限らず、緊急性を要するような時も三次救急などのシステムを持つ大病院に外科系の治療や内科系の緊急疾患の治療を求めることがよくあります。
例えば、転倒に伴う頭蓋内出血や、腸管穿孔、コントロールの困難なARDS患者等の発生などがそういった症例に当たります。

夜間の当直時にびっくりするような事由(例えば警察を呼ばなければならないような事件性のある患者同士の喧嘩が理由によるもの怪我等)での骨折や種々の怪我なども我々内科医の手には負えませんので、通常は決まった病院にお世話になります。

特に「この疾患にはこの病院が強い」というような病院として理解している”ある程度の傾向や情報”をもとに配分を考え依頼するのですが、実は医師同士ではその病院内の当事者だけが知る「各病院の内情」というものが伝わってきます。
これは飲み会や忘年会、医師同士の個人的なつながり、病院に来ているバイトの先生からの愚痴などから今のその病院の現状、各医局の隠れた人脈の繋がりや仲の良さなんかが漏れ伝わるわけです。

そんななか、今我々が住む名古屋市で一般的な意味で緊急疾患の受け容れに積極的かつ実績も高いのではないかと(我々の病院で)頭の中に浮かぶのは第二日赤と藤田医科大学(旧藤田保健衛生大学)でしょうか。
勿論、他の医療機関も同様に素晴らしいところがあるのですが、「断らない」という意味では圧倒的に強い印象を日頃から受けております。(あくまで個人の印象ですので、事実とは異なるとは思いますし、治療内容が云々という意味でもありません。)

三次救急で内情はきっとてんてこ舞いでしょうし、救急科が受け容れてもそれを次々と回され続ける他の専門各課の先生方は先生方できっとベッド数や実務キャパの問題でかなりの軋轢を生んでいると推測はされるのですが・・・。

日頃からこの様な形でオーバーロードの可能性が高いにもかかわらず、命と時間を削って働いてくださる三次医療救急の先生方には本当に頭が下がります。
今後も難しい症例をお願いすることがあるかと思いますが、この様な医療機関も働き方改革の中で維持運営をしていくのが難しくなってくるのではないかと密かに心配しております。


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