2019年6月10日月曜日

久しぶりの救急車同乗

連続の当直でちょい疲れ気味のところへ事件発生。

今まで何度も胆管炎を繰り返しては内科的治療で炎症を抑えて元気になっていた患者さんが昨日の昼から突然高熱が下がらなくなりました。

画像上は慢性胆嚢炎・胆管炎のような状態であったのですが、患者さんが「手術が怖いから」という理由でオペを拒否され続け、そのたびに抗生剤の投与等で切り抜けていたのでした。しかし、つい最近の胆管炎の再発(既に数回目)を経て今月末には遂にオペを受ける決心をつけて実際にあと二週間というところまできていたのですが、病気は待ってくれませんでした。

前日の夕方までは熱発はあるものの血液生化学的数値は全然抗生剤投与で問題ないレベルだったのですが、朝の五時前になって急に痛みが腹膜炎を疑う症状にまで進展してきたため、オペの予約を入れていた大学に連絡を入れ症状を報告し急遽受け容れてくださることになりました。

急いで診療情報提供書を作成し、救急車を呼んだのですが万一の場合に対応できる状態で責任を持って病院について行けるのは私しかいませんでした。その時点では未だ時間が早いために他のドクターを探して当直業務を一時間ほど繋いでくれる人を探さねばなりません。幸いにして副院長先生が7時前には病院に居られたので、先生の内線をコールして引き継いで頂きそのまま救急車へ同乗。

アメリカに行く前には時々乗っていましたが実質的には25年ぶりの救急車同乗です。
患者さんを車内に運び込んで、書類を手渡しいざ出発。患者さんの状態もそれなりに落ち着いてはいますがまだまだ予断は許しません。

久しぶりにドップラー効果のないサイレン音に包まれながら天下御免の赤信号で止まらない救急車両に乗りました。しかし、仲は昔とそう変わらず、違いと言えばやたらとでっかいナビが全面に付いていることくらいでしょうか。

しかし、変わらないものも・・・。それは救急車両の目の前を塞ぐ若い女性ドライバー。どうやって寄って良いのか本当に基本さえ理解できない路上の障害物です。昔もこういった景色は救急車同乗時に頻繁にありましたが、四半世紀経ってもそのままでしたね。デジャブって奴です。w 救急隊の運転手もかなり怒りながら運転していました。

すぐに三次救急の入り口に到着しましたが、案内してくださったERの看護婦さんによると、たまたま今朝は入りが無くて珍しい朝でしたとの説明。確かに誰も見当たりません。
静かなERで看護師さん達がテキパキとモニタリング装置を装着しながら採血をしていきます。結局その時点までで取り敢えずはドクターに引き継ぎということで帰りはタクチケを使って病院に戻りました。

三時間ほどしたらソーシャルワーカーから内線でコールが入り緊急オペになったとの連絡。急速な悪化が見られた症例でしたので、手遅れになる前に消化器外科に手渡すことが出来て良かったです。

患者さんの一刻も早い回復を祈った一日でした。それにしても連直の二日目にこのパンチは堪える歳になりました。orz

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