2019年4月14日日曜日

看護師にとって最高級の能力とは

今日のタイトルに書いたんですけど、字面通り「看護師にとって最高級の能力」ってなんでしょうか。

私が考えるのは対人関係構築能力と共感力です。理由はシンプルで、この能力だけは訓練ではまず身に付かないものだから。将来いくらAIが発達しても、まずは技術面での能力はあっという間に追い越されてもこの2つの能力は真の意味で全く到達不可能な能力だと考えます。

患者さんという最もいま癒しを必要としている人にとって看護師から最も提供されたいことは何でしょうか?と問われたらそれは無限大の包容ではないかと思うんですが、如何でしょう。

明日どうなるのかもわからない、検査の内容はなんだろう、今日の結果はどうだったんだろう、治療法はどうなるのか等々、治療する側がその日その日の注射や検査の準備に追われ、ややもすると見逃してしまいがちな、しかし患者さんにとっては内面で渦巻く疑問と強い不安というものをきちんと現場で拾い上げてくれるのは、最も濃密に患者さんに接している看護師さん以外には有り得ません。

医師は勿論、診療を通じて対話と治療とで患者さんを安心させるのが仕事ではありますが、病棟でまず第一番に長い時間を過ごすのは看護師さん達です。
そういう”接触の濃密さ”という意味では、家庭における母親のようなもの。父親が通常子供達の人生に大きな影響を与えはするものの、それが母親の理屈抜きの留まるところを知らぬ愛とはまた違った形をとっているのと同じだと私は思います。

技術は金で買えますが、看護師が示すことの出来る優しさは金では買えないと私は思っています。しかも、看護師になった時点で、既にそういった点に関する可塑性は無くなっていると私は考えています。
知性があって、優しさがあって普通の技術以上のものがあればその人は私のような医師にとっても掛け替えの無い病棟の同志です。

ですから、私は仕事をしているときに「万一病気になったら」この人なら看護してほしいな〜と思う人を頭の中で自然と選んでしまっています。w
裏表なく人が見ていなくても優しく患者さんに声掛けをし、困った人にも優しく対応できる、文字通り「能力」を見せる一部の看護師さん達。

こういった”出来る”人がいると、病棟実務においては、そうでない人との対応能力にどでかい温度差が着くため、患者さんもしっかり見抜いてしまうんですね。
いつもいつも「あの患者さん困る!先生どうにかして〜!」とか言っている看護師さんもいれば、同じ患者さんに当たっても”何事もなく”一日が平穏無事に終わってしまう看護師さんもいるわけで、その差はどこから来るのか・・・と言うことなのですが、残念ながらその説明をしなければならないような人には、ほぼ永遠に何故自分が看護をするとそういった一連の問題が病棟で発生するのかを理解することはほぼ無理なのでした。

ちょっとした他の看護師とは違う資格(例えば認定褥瘡看護師とかその他の名称)を持つものの、対人関係構築能力や共感力に欠ける看護師とかは、正直言って「要らん」の一言です。あ、これ以上書くと具体的すぎて個人特定されるといかんので止め止め。w

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