2019年2月5日火曜日

生まれてこのかた一番面白かった小説は何か

私は小説をあまり読まない人です。

小学校低学年の頃はSFやおばけの話等の怪異譚をよく読んでいましたが、高学年から中学にかけてはガラリと読むものが変わっていって小説から何からとにかく乱読という状態でした。勿論、隠れてエロ本も。w

私は大学の周りにある公務員宿舎に住んでおりましたので、その隣りにあった大学キャンパスの中で昆虫採集をすると当時の大学生が捨てていたエロ本が山のように林の中に落ちておりました。というわけで、子供の頃から大人が裸でなにか子供が見てはいけない何かをするのだというのはなんとなく理解していたのですが、そこは子供、自分がその大人である両親の行為の結果生まれた実体であることには全く想像が及ばないという・・・。

大人になった私が読むのは殆どがノンフィクションと医学関連の本。
しかし、私が読んできた大量の本の中で最もこの世で面白いと思った本は、実は吉川英治の宮本武蔵でした。この本、高校の頃に隣に住んでいた大学の美術の先生に薦められて読み始めたのですが、最初は試しに買ってみた最初の一巻のみを放っておいて事実上の積読状態。

暫くして、暇だし何気に読んで見るべいと手にとって最初の一行。
「どうなるものか、この天地の大きな動きが。」から三ページほど読んでみたところから事態は動き始めました。もう、読むのが止まらなくなってしまってしまいました。
page turnerという言葉が英語にはありますが、本当にページをめくる指が止められなくなってしまって、その日の内にあっと言う間に一巻読了。

すぐに二巻目を買ってきて翌日の午前中にはすぐに読了。残りの巻を母親にお願いして買い込ませてもらい四日間殆ど眠らずに読了。全八巻でしたが、四日間が短過ぎました。次の章の結果が知りたくて知りたくて知りたくて飯を食うのも忘れてずっと寝そべりながら読み進むという体験は生まれて初めてでした。次のページを捲るのがもどかしい!
この感覚、他の本ではこれ以降もこれほどまでのものは経験することが出来ていません。

みなさんも一度で結構ですので、騙されたと思って吉川英治先生の宮本武蔵を読まれてみては如何でしょうか!当時のラジオでは、この宮本武蔵のドラマが徳川夢声に読まれる時間には人が銭湯から消えたと言います。

諸氏の期待を裏切ることは無いと確信しております。

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