ロシアのウクライナ「侵略」で始まった今回の戦争も思った以上のウクライナの善戦が続いています。
ロシア政府側のこの闘いへの見解(=言い訳)がどうあろうと、世論操作の上では圧倒的にロシアの大敗。少なくともまともな西側諸国側の論評は第2次世界大戦時の連合国対ナチス・ドイツの様相です。絶対悪による一方的な侵攻に対して必死に貧弱な装備で反撃を試み、理不尽な市民への猛攻に耐えるという構図。おそらく、当時の中国へ進駐した日本軍もあちら側の人間から見たら当然のように今のウクライナ側の見方で世界から見られていたのでしょう。(日本人がどう思おうと!)
こうなると世論コントロール的にもうロシア側に勝ちはあり得ません。
何と言ってもプーチンの人相がもうね、笑ってしまうほどの悪人面で実際ここまで悪人の雰囲気を醸し出せるというのは御本人の人徳の為せる技ですな。前はもう少し余裕がある感じだったんですけど、国内的に不人気なのが盛り上がり続けてその打開をドネツクその他のみならず、ウクライナという己の核抜きの兄弟国を狙うことでNATOからの完全分離と傀儡政権の樹立による最終的なロシアにおける南西方面の盾を作ろうと思ったんでしょうね。
中国と同じで、西側によるイージス・ショアの配備に神経を尖らせる状況なのでしょう。しかし、今どきスターリンが策定したソビエト国境を再構築しようというアイデア自体がもう何というか帝国主義の腐臭そのものです。
結局今のところ世界的な総スカンの論評以外にロシアが得たものと言えば、ロシア保有の国営私営の航空機のEU全域とカナダ上空への乗り入れ禁止とロシアへの飛行禁止、各種国際交流の全面的禁止、SWIFTからのロシアの多くの大規模銀行の排除、ルーブルの激しい暴落と更に激しい上下動。(ここ数日のルーブルの上下動は会談の内容や侵攻状況などで稲妻のように動きます。怖くて素人は誰も手を出せないでしょう。)更にはドイツからもそのロシアへの巨大な収入源になると思われたパイプ・ライン建設を止められる始末。
特にSWIFTからの排除は金融版の核兵器とまで言われていますから、無傷ではすみません。ロシアはネスティングを使って迂回取引に賭けるでしょうが、実際はロシアに使われる側の銀行はそれを行うことによる「制裁」を恐れて早々簡単にはGOサインを出すわけもなく、ぎこちない取引が続くことでしょう。
おまけに企業に対してはルーブル防衛のためにロシア中銀と財務省からその外貨建て収入の80%を売却するよう指示した上に、主要政策金利を9.5%から20%へと倍以上に上げるという荒業。こんな事やってたらその瞬間は良くても、その後遺症はdeep impactをのこします。
ロイターによるとBCSグローバル・マーケッツはリポートで「一連の措置は市場で高まっている警戒感の緩和に寄与するかもしれないが、インフレ目標と柔軟な為替相場を柱とした金融政策の土台がむしばまれる」と指摘。
「望ましくない外部環境でロシアの金融政策は持続不可能なものになった。追加利上げの可能性や予想外の非市場的な決定が下される可能性を排除しない」と至極まっとうな指摘を受けちゃってます。
ロシア人の年金を蝕む悪性のインフレは時間をかけずとも政権への恨み節となって大波として還ってくるのは必至。そのときに政権に座っているのは誰かということです。本当に2034年まで大統領を続けるつもりなんですかねこの悪相のオッサンは。
おまけにここ数日はロシアの核戦略部隊に「特別態勢」に入れという指示を出すなど、もう本当にヤベー親爺状態。精神状態は果たしてまともなんですかね?地獄の釜の蓋を開けたのは自分。どうやって閉じようというのでしょうか。
「拳を上げるのは容易でも、それを下ろす場所は容易には見つからない」という私の信じる数少ない教訓の一つを今回のロシアの行動で再確認するのでした。
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