ついこのあいだ慈母敗子と言うい言葉を覚えました。(知っている方にはお前何を今更と笑われるでしょうが。)
「じぼはいし」と読むのですが、もとは韓非子の言葉なのだそうです。
「厳家に悍虜(かんりょ)なく、慈母に敗子あり」という言葉で一つ意味を成すようなのですが、厳しい家には我儘な召使いはないが、優しすぎる母親には甘ったれの出来損ないの子が育つ、と言う感じの意味のようです。
なんでこの言葉に深く感じ入ってしまったかという事なんですが、以前、たまたま病棟でその典型例みたいな患者さんに会ってしまったからです。
ある病院から送られてきた方なのですが、役所からの間接的な紹介でのお願い案件でもあったため、今後の事を考えて入院を許諾した患者でした。
この患者さんのバックグラウンドが役所の人間から説明されてきたのですが、若い頃から定職にも就かず、金が無くなると親のもとへ帰ってくる事を繰り返してきた人でした。
結局、親が高齢化して齧るスネが無くなった時点で逆にそんな息子を養いきれない親からも縁を切られてしまう始末。家を借りたのは良いけれど、結局のところ自分の糊口を凌ぐ術も知らず、乗り切る意欲も経験も無い状態では金があっと言う間に尽きるのは必定。
栄養失調になって倒れてしまったところで区役所にコールを入れて助け出されたという次第。どうしてこういうドンヅマリ状態になるまで親はこの人を支え続けたのか。知的には何の問題もない人なんですが、話を聞いているといつでも悪いのは俺じゃなくて他人というパターンの話し方をする人でした。
ですから、当時は聞いていて正直イラッとすることが多々ありました。私とほぼ同じ歳なんですが「自分が怠けてきた結果が今の自分じゃろ?ちゃいまっかな???」と、歯の裏側くらいまで言葉が出てきていたのですが、とりあえずは言うのを抑えていました。w
しかし、子供の育て方を間違えるというのは本当に恐ろしい結果を生むもんだなと考えさせられる例を身近に提供してくれるこの人には、逆に感謝しないといけないのかもしれません。
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