2016年1月22日金曜日

少し前の話ですが・・・

この前中国に鉄道受注で日本が大逆転負けした話。実は結構いまの日本(人)のいろんな意味での総体的実力を測った近年の物差しとして有効だったんではないかと感じてます。

大東亜戦争の昔から日本の外交能力のレベルには?と言う疑問符が付いているのはつとに有名ですが、今回の件に関しても、いわゆる経験値というものの継承が外務省内で全く行われていないのではないかという疑念を個人的には持ってます。そこら辺は省益の確保方法の教育にばかり忙しくて上手くいっていないのでしょうか?

今回の「こてんぱんに」やられた対インドネシアへの鉄道敷設問題にしても、対中国という意味でどのような対策を講じておくべきかということの対策リストの中に、中国側が日本の準備したデータをまるまる盗み出して己のものとして使用するであろうことは、通常の産業スパイの例に漏れず、性悪説でアプローチして置くのは常識であって、そういった国際ビジネスの間で悪意の塊にような連中を相手に何を育ちの良い坊っちゃんみたいなことを言っているのかと大笑い。

契約というのは取ってなんぼ。 取れなかったら百万種類の言い訳を並べたところで全く何の意味もないということは外務省その他の方々も良くご存知のはずでしょうし。
レースで負けたレーシングドライバーが、レース使用車の部品や開発陣のことをあげつらって負けの責任を己のテク以外のせいにしたところで、負けは負けであって単純にそのレーサーは勝てなかったレーサーとして公式記録には残らないだけの話。部品の開発、セッティングも込み込みでレーサーとしての技量が求められるのが今の時代のコンペティターの標準形でしょうからね。

発展途上国であるインドネシア政府の高官の賄賂への弱さ(これは日本も同じかw)や、国家として借款をしなくても責任を問われないような契約を交わすという中国側の(あり得ない約束をもするという)外交能力は超長期的ビジョンからみれば多分に出鱈目でしょうが、取っ掛かりを掴むスピードという意味では日本政府側の完負けであることには変わりなし。

外交の戦争に「もしも」はなく、負けは負けでしょう。NHKでよくやるような「XXなかりせば!」と言う感じの松平アナウンサーでも出てきそうなドキュメンタリー番組で組まれるような仮想逆転番組は実世界では「おきなかった」の一言で終わりですがな。

それにしても、対韓外交という意味で何時も譲歩しっぱなしの日本が、今回の合意に関しては逆にエラく上等なトラップが組み込まれた智謀を感じますが・・・。外務省っていうのは部局によってえらく知恵のレベルの違う部署なんかなって感じてしまったこの冬の私でした。

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