2025年1月7日火曜日

患者さんの御家族からの手紙

今迄に何度も患者さんやその家族さんからお手紙を頂きました。

私の様にアメリカら帰国して10年も経っていないようなペーペーの人間でさえ何度もお手紙を頂いている事を考えれば、何十年も医師をされてきた先生方などは全員では無いにしても相当お手紙を頂く方が居られるものと思います。

そんな中で、今回は亡くなられた患者さんの娘さんからあるものを頂いた中に短い手紙が添えられていました。

あるものと云うのは驚くほど上手に作られたシフォンケーキ。年末に頂いたものでしたが、高さが20センチ程度の背の高いケーキで、ケーキの上には可愛い飾りが乗っかっており、奇麗にラップされていたのですが、その箱の外にこの短い手紙が添えられていました。

実は精神科の先生から終末期間近になってしまっていた高齢の患者さんの事でコンサルを受け、結果的に最後の3週ほどを私がお世話させていただく事になったのでした。超高齢であるだけでなく、残念ながら既に一般状態は宜しくない状況で実行可能な手立ては殆どなかったのですが、(恐らく)苦しまれる事も無くグライダーが地上に着陸されるが如き穏やかな最後となりました。

私自身は、その夜にその病棟に居た訳ではなく最後のお見送りをさせていただくことも出来なかったのですが、それかあら暫くして頂いた娘さんからの心のこもった手紙は私の無力感を癒して尚余りあるものでした。

病院のような命の遣り取りをする職場に勤めていると、患者さんやその親族さんからのちょっとした感謝の言葉に癒されますし、その逆の場合は傷ついたりもします。まあ、普通の人間という事なんですが。^^

こういう経験を繰り返していると、己も「もっと人に感謝を感じるだけでなく、感謝を表さないといかんな」と反省すること頻りなんですが、育ちの悪い根っから愚かな人間であるためか、そういうあるべき姿からは程遠い愚か者だよな…と落ち込む日々です。

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