実は数日前から当院に対して受け付け切れない救急の患者を受け容れてくれないかという要請が何度も何度も立て続けになされています。私のメインで勤める病院は三次救急レベルの内科は有りませんので、そこは人的資源も割けないし、ベッド数も何百床もあるようなレベルでは無い事を自覚しての受け容れをしなければなりません。
出来ることは出来る、出来ないことは出来ないというしっかりとした線引きは病院のそれぞれの能力・目的に応じた人命の救助というものがあって、それを解っていないと人命にかかわる重大インシデントを引き起こす可能性があります。要するに「医師としてお前が自分の親であっても大丈夫と思える患者さんを治療する事」という事でしょうか。^^
とりあえず、向こうの病院の先生が準備して下さった書面に目を通し受け入れ可能な患者さん達に関しては可能な限り対応させていただくことにしました。いつも当院からの対応困難なレベルの患者さん達に対する診察加療をそれぞれの専門領域の医師としての立場から行っていただいて居りますので、これ位はお手伝いさせて頂こうというというようなものです。
さて、表題のような事を考えたのは実はこのインシデントだけではなくて、バイト先で各家庭の訪問診療を行うために名古屋の街中を移動していた時の事に関係しています。それは何時にも増して異様な数の救急車が走り回っていたからです。
通常は遭遇しても一件有るかないか程度なのですが、その日はナント5台!も遭遇したからです。確率論的な事に関しては何とも言えませんが、その日の遭遇回数はいくら何でも・・・と云う位の回数だったことが印象的だったのです。
そして最初に書いたような大きな病院の救急システムからの受け容れ要請の頻度が通常とは遥かに異なる事を考えると、この時期であれば呼吸器感染症や寒波襲来に関連した循環器系等の疾患増によるベッド数の圧迫等を推定したくなるところです。
このような多くの三次救急が存在する大都市でさえこの状態では、病院数の少ない一部の地方自治体では一体先生方はどれほどの自己犠牲を払われているのだろうかと他人事ながら心配になってしまいます。
とは言え、厚労省も財務省も医療に金を使うつもりはサラサラ有りませんので、これから先はいろいろな医療資源に纏わる悲劇が「新たに」出現する事でしょう。
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