2016年4月6日水曜日

なんぼ言うてもこの世代のオッサン達は・・・2

先ずは本人に対して直接そのようなことを言う事の愚かさを諄々と説きました。

外の国からやってきてその国で余所者として生活を始め、その国の人間として生きていくことの大変さを話し、そのような人がその国の人から色々と自分に全く関係もないことを言われたらどう思うか?と直接聞きましたら、「そら嫌ですわな〜」等と他人事。

それに続いて私からは”警告”として、「今後このようなことがあったら残念ながら退院もしくは転院という形であなたを出さざるを得ません」と厳しくしかし淡々と話しました。すると、本人も険しい顔付きになったのですが、「そら仕方ありませんな・・・」等という始末。

実はその後もトーンは変えつつもその元中国籍の看護師さんに対してハラスメントに類する発言がありましたので、今度は電話で家族の方に最近立て続けに起きている事実のあらましを説明し病院に来ていただきました。
その上で、本人を含めてその前に立って同じようにそのような類の発言をしないようにと言う形で釘を刺し、説諭という形でその場を終えたのですが、家族の方々は本当に申し訳無さそうに縮こまってしまいました。

しかしこの爺さんの方はといえば・・・やはり糠に釘、暖簾に腕押し。実に残念な反応をされます。
それを見て更に家族の方々は縮こまるという・・・。話している私の方も痛いほどこの方々の気持が解るだけに残念でなりません。もし私の実の親父が他の病院に入院してこんな発言や行為をしていて同じように呼び出し警告を受けたとしたら居たたまれない気持ちになるのは自然の成り行き。

アメリカではこのようなことを言ったりしたら通常”socially dead”と言うエンディングを迎えますし、リーダー養成のレクチャーでも繰り返し繰り返し様々な種類のハラスメントに対する対応を叩き込まれるのが常でしたので、このような行為はたとえ患者さんであっても”許されざる”発言であることには変わりありません。

他院に送り出すことも簡潔で容易な選択肢の一つなのですが、出来れば苦労されている御家族の方々の気持ちを考えてそれは避けたい、しかし看護師さんへのアタックを責任者としては見逃すことは許されないということでこれからのステップを思い倦ねるここ最近です。

小さいころに受けた差別の観念はやはり拭い難いものを個人の中に植え付けますね。
愚かさはどこかの時代のどこかの世代で断ち切らなければなりませんな。男だから、女だから、あの人種、この宗教、若造だからジジイだから、、、日常に潜む己の発言自身に常にその芽を観る自分自身でもありました。

以て他山の石とせなばならんということでしょうか。

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