2026年1月21日水曜日

死のリスクを冒すべからず

病院で仕事をしている時、通常は内外の患者さん方を診る事になります。

ところが、それが100%ではありません。そうなんですね、体調不良という事で数日来無理をして仕事をしていた看護師さんからコンサルを受けて診察したり、上室性頻拍で緊急コールをして内科外来に駆け込んでくる人が居たり、緊急性高血圧症で病棟師長から間接的に緊急コールが入ってきたり。

勿論、酷い腰痛をおして仕事を続けてますます悪化させるような人も居れば、熱があるのに仕事場に来てコロナやインフルなどの感染症である事が発覚して怒られながら帰っていく人たちまで居ます。orz

上に書いた様な人だけでなく、実際は肺炎が重篤化している状態が見つかりそのまま入院になったり、喘息の重度の重積状態で病棟からほうほうの体で緊急の診察に来たり、血圧も高いし何だか具合が悪いから~とやって来て診察をしてみたら重度の大動脈解離で慌てて大学病院に緊急搬送したり等と言う事例も今までにはありました。

私は、医療の現場で多くの方々が自分を犠牲にしてまで仕事をして下さるのを「以前は」凄いなと思っていたのですが、今はそう思いません。ギリギリでしか現場が回らない程忙しいのに、人が足らず、自分達の時間や体を犠牲にして居る現場というのをいやというほど毎日見ています。

そんな中で命を削ってまでなんで仕事を続ける?という話。自己犠牲の果てに大切な医療スタッフの命が削られていったり、人が辞めたりするようでは組織は持ちません。勤労が評価れない組織は消えるべきです。

しかし、それでもこういう疲労感漂う医療の現場は働き過ぎの上に毎年赤字が続いているのが日本の多くの病院の現実で有る事は皆さん多くの方々が理解していません。世の中はここ数年でいろいろな製品が円の価値の棄損で10-20%どころではない異様な物価の上昇を繰り返しているのに、医療現場では1%とか3%とかの微増で「勝ち取った」等と愚かな日本医師会からの発表があるばかり。

厚労省や財務省は医療には金を使いたくありませんので、ありとあらゆる難癖をつけて医療費削減に奔走していますが、これからも淡々と病院の大型、小型の倒産は増え続ける事でしょう。

何度も繰り返しますが、これからの日本は医療費に金を使わなかったツケを払う時期に入っていきます。近所には適切に疾患を見てくれる適切な科の医師が居なくなり、前はあそこに病院があったのにねという昔話をする事になるでしょう。

良く勘違いされていますが、医療費を底上げしているのは医師の給料などでは全くありません。寧ろ医師の給料はここ数十年ほぼ上がっていません。(私の知る限りここ30年は!対物価上昇で見ると寧ろ大幅な減額です。)そして今からは医師の給料も下がっていきます。

医療には金がかかります。世界最高の医療制度を維持できなくなる日。それはもう皆さんの目の前に姿を見せ始めてかなり近くまで来ています。暫し待ちましょう、その日の到来を。

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