以前から書いていますが、このレベルの医学的診断システムと治療システムを、値段や規模も含めてこれだけ手軽に得られるのはやはり日本がダントツだと思います。しかし、これらの利便性を提供してもそれが「当たり前」だと思っている人達にとってはそのサービスが受け容れられないのは不満のネタになります。
こういうのは自分が海外に行ってその医療サービスを受ける為の金銭的負担や予約をゲットするまでの非常な不便さを理解できないと日本自身のシステムの便利さが如何に素晴らしいものかは到底理解できる訳もありません。当然ですが。
物事というのはサービスであれ実物であれ「比較」や「競争」をする事で初めて自分の立ち位置というものを理解できます。海外の富裕層が日本に向かって金を使ってでも医療サービスを受けに来ようとする人間達が大量に居るという話も全く不思議で揉んでもありません。
アメリカの医療サービスの話はここで何度もしてきたからもうあまり書く気もありませんが、例えば私の友人のスコットランド人が自分のラボで話をしてくれた話では「今はもう亡くなった親父さんが腰のしつこい痛みを訴えるのでCTを撮って貰い原因を追究するまでにすでに体中に癌が拡がっており、待っている間の長い長い時間にどんどん病気は進行していったんだ。でも、滅茶苦茶高い割増料金を払ってプライベートのレベルで診察をしてもらうと幾らでも待ち行列に割り込みすることが出来るんだよ」というような話を聞くと、日本の医療の公正性と普遍性が理解出来ようというものですが、さてこんな事を知っている人なんて殆どいませんよね。
しかも、マスゴミや弁護士は医療の粗探しとその「結論ありき」の歪曲報道に大忙しですから、こんな事実を報道しても何も金にならないと判っていれば報道なんてしないでしょうし。
改革は先の見えている一部の人達が率先して国家のレベルでどんどんしていかないともう時間的に追いつかないところまで来ています。今の日本医師会も医療人を結集させる力などとうの昔に失っておりまして、荒廃した状態にある歯科医師の世界の二の舞になるのではないかなと私は個人的に思っています。
日本の医療人も実際、物凄く金銭的に追い込まれています。恐らくクリニックのみならず大きな病院も10年経たずにあちこちで巨木が割けて倒れる雷鳴のような音を聞く事になるのでしょう。スピードをあげる事、正しい事を正しくやっていく事の必要性があるのですが、しがらみと間違った判断が続く現状ではそういう期待もむなしいのが現況です。
まあ、そう言った医療崩壊が明確に後戻りできない状況になった時点では私は既に引退しているでしょうから関係ないんですけどね。
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