結局今の居名古屋の市バスで運転手の勤務時間「改竄」の件が伝えられていました。
運行時間に関して国の定める基準を満たしているかのように運航実績を書き換えていたというモノなんですが、これは正直言ってバス会社も悪いと言えば悪いのですが、車を運行している側にとってみれば確実に法に則ってやっている事を示す為のアクションを取ったのでしょう。
結局今の時点で判っている事は運行と運行の合間に求められる「九時間」というインターバルをきちんととれないような事態(渋滞、故障、その他事故など)が日常のレベルで発生した時にそのハング・オーバーした部分を別の日に付け替えて平準化していたという訳です。
しかし、これは職務に忠実であろうとしたばかりに起きた事。恐らくアメリカなんかだったら絶対のレベルで起きない事。w
要するに人が足りなければ大穴を開け、少々遅れても気にもしないというような連中が仕事をしていればそういった改竄は逆に起きない訳です。
結局、人手不足を何としてでも防ごうとする苦肉の策と言えば苦肉の策。しかし、驚く事にこれは名古屋市だから未だ斧程度の負担と改竄で済んでいる様で、実際は民間のバス運転手は心と体をすり減らす毎日だとCBCのインタビューで証言しています。
病院にも歯医者にも行けず、疲れていても定時運行。バス停は見落とせず、事故を起こすなど以ての外、等という状況だとの証言がありますが、それに加えてカスハラも酷いということで、遅れて扉を叩き怒鳴る客とか、定刻通りに着いても遅れを見越して遅く来た客から置いて行かれたなどと文句を言われる始末。もう滅茶苦茶ですわな。お客様は神様でも何でもなくて、サービスする側の犠牲的努力で成り立っている糞システムだと云うのを解っていないだけ。orz
その結果はどうなるかと云うと明確で、減便や時間の変更、最終運行時間の短縮など。まあ、当然ですよね。これにパンチを聞かせてしまったのは昨年度の働き方改悪。働く時間を短くして労働者を護るという名目で制度が構築されましたが、まさに官僚が作った机上の空論。いつもの事ですが!
仏作って魂入れず等という言葉がありますが、こちらは制度作って人は揃えずという奴です。これから間違いなく公共交通サービスのみならず、色々なシステムで大きな綻びが出てくる事でしょう。しかもそれは始まったっばかり。
今回の話は市バスで起きた件を中心にしたものですが、実は今、医師の社会でも似たような事が起き始めています。市井の方々には判らないでしょうが、実は(実践的)研修をまともに終えていない医師が今から市中病院に飛び出してくるのです。
その結果は…わかりません。恐らく高度な技術を持った医師の育成は以前より相当難しくなってくるはず。9時ー5時業務が当たり前の医師が巷に溢れ、当直業務は皆バイトにカバーされ、病院自体も数がぐっと減ってくる事でしょう。
それなりのクオリティを保つためにはそれなりの配慮と金と人とが必要という事を厚生官僚自身が理解する時代が来るにはもう少し時間がかかる事でしょう。