2025年6月6日金曜日

笑えないけど笑ってしまった

薬をきちんと飲む行為の事を服薬コンプライアンスと我々業界の人間は呼びます。

認知症のある人達は勿論の事、そういう問題が無い人であっても薬を指示通り正しく飲み続けられるというのは難しいものです。忙しくてついつい飲み忘れた、飲んだつもりだけどはっきり飲んだかどうかイマイチ完全に思い出せない等というのは何時もの話です。

何なら薬をきちんと飲まない事で悪名高いのは医師と薬剤師だと皆自虐的に言っています。w

さて、今日はある人と夜食を摂りに行ったのですが、その食事会が終わって薬の服薬に関連した喜劇のような話を聞くことが出来ました。それは私を医師と知って、自分が下剤と眠剤を使っているという話の中で出てきた事なのですが、なんとその方は眠剤と下剤を飲む時間を逆にしてしまっていて、朝から眠くて眠くて仕方ない状態がずっと続いたせいで「仕事にならない状態」というのが二か月ほど続いて大変だったのだそうです。

何故そういう風になってしまったのかという事を記憶を撒き戻しながら語ってくれたのですが、どうも投薬して貰った最初の段階で「似ている剤型の薬二つ」を思い込みで飲み始めたのがきっかけだったようです。

その人の場合は朝に下剤をそして夜には眠剤をという極普通のパターンでの処方をされていたのですが、そこを根本的に間違えていた為、夜眠るために飲むはずの薬が朝に回ってしまい、当然の様に昼には滅茶苦茶眠くて仕事にならない~( ;∀;)という状況が続いてしまったとの事で、余りにパフォーマンスが低下してしまって、顧客の一部から契約の解除を迫られそうになったというお話。

何というか、この話を聞いた時には腹を抱えて笑ってしまったのですが、本人にとっては正に死活問題。奥さんと二人で必死になって何故そんなになるほど眠くなってしまうのかを追求する途上で、この剤型の似た二種類の薬が反対の時間に服薬するセットアップになっていたせいで、正に喜劇というか悲劇が起きていた訳です。

こういう事が認知能力に全く問題の無い高い知性の持ち主にまで起き得る訳ですから、爺ちゃん婆ちゃんがそういう間違いを起こすなんて言うのは恐ろしい確度で起きている訳です。

「クスリを正しく飲む」簡単に思えて全くそうではない行為なのでした。

0 件のコメント: