病院でびっくりするような出会いがありました。それは90を軽く超えたおばあちゃん。
ここ名古屋でまさかとは思っていましたが、90過ぎのおばあちゃんを受け持って彼女自身からちょっと驚くような偶然の経験をさせてもらいました。
まず、おばあさんが九十過ぎて矍鑠としているのも驚きなのですが、取り敢えず痴呆スクリーニング担当の方が二種類の痴呆検査を行ったところどちらも驚きの「満点!」。まったく失見当識もなく、短期記憶、長期記憶などもガッツリ完璧で、そこら辺のオバちゃんなら確実に負けてしまうレベルです。
昔語りにしても年数も「大体」では無くて何年の何月何日の出来事で、そこに至るまでは何年の年月が経過した状態ということまで私に説明してくれます。本当にこちらが恥ずかしくなるぐらいの尋常ならざる記憶力でして、検査を担当した方も「私がこの仕事を始めてこの検査で満点を取られた90代の方は初めてです!」と、興奮を隠さずにお話されていました。
その驚きは私にしても同じなのですが、看護師側も初めの頃は可愛らしいけど元気なオバアチャン!くらいで接していたのですが、その精神力と知性に看護側も思わず居住まいを正したようで、おばあちゃん自身が自分で持ち込み薬や塗り薬の使い分けの指示を出してくるのにタジタジとなっていました。w
しかも、このおばあちゃん、最初に行った問診で問わず語りで自分の身の上を話してくれたのですが、途中で私の名札を見つめながら自分の田舎の事を話し始めました。
私も興味があったので生まれ育った土地を詳細に尋ねていったところ、生まれたところは私の実家の両親が今現在住んでいるところで、育ったところは実家の母親が幼少時を過ごしたところでした。
おばあちゃん自身もその事実に大変驚いて、「人生の終わりにこんな巡り合いがあるなんて」等と言われました。私自身も非常に驚いたのですが、僕が何かのお世話をしたり治療をしたりするたびに感激して、こちらが照れてしまうほどのことを看護師さん達の前で大声で話すので私の方は「汗顔の至り」状態です。なんてったって褒められるような立派さとは対局にある人間ですので。w
それにしても、この「記憶と認知」が歳をとってもしっかり保たれる方というのは生物学的にどういうセレクションを経てこられた方なのだろうと、フト考えてしまうのでした。
人生において苦労されたことがよく判るお話を私にとつとつとお話してくれるのですが、仕事を一生懸命されてきたご褒美なのかもしれません、、、。
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