2018年2月9日金曜日

在宅医療の質の問題

数字を合わせるだけでは何も解決しない問題は世の中ゴマンとあります。

今流行の在宅医療も典型的なその手の問題の一つだと私は思っています。
厚生労働省の右往左往、朝令暮改の施策変更で現場の医療機関は本当に大概いい迷惑を被っております。

実際に在宅という状態で看護がされ、行政のサポートが入っている家庭であっても、実際には多くの家庭では少なくとも一人の患者さん、もしくは介護を受ける人の人生のみならず、それをサポートする家族の誰かもう一人の人生が大きな制約を受けているのが実情です。

中には本当に24時間と言っていいほどのレベルで献身的に人生全てを介護の対象にかける家族もいるのです。それが長い場合には十年以上続くのですから、その人の人生は本当に何のためにあるのかわからなくなるような自体にある人もたくさん居るのです。

仕事をやめても家族をサポートできるような人は稀な人で、実際は仕事をしながら経済的に困窮しつつもギリギリで老いた両親や障害を得た家族を支え続ける生活を続ける人々。厚生労働省はそんな人たちの事をどれほど現実の世界の出来事として捉えているのでしょうか?

施設に入ることが出来ず、たとえ入所できても、入った施設からは疎まれるようなタイプの認知機能障害を持つために辛い目に遭う人達。厚生労働省が統計上の数を合わせるための施策を繰り返すうちは、日本中で大小の語られない悲劇が繰り返されては、それらの事実が記憶される事もなく消え去っていくことでしょう。

21世紀の現在でも、いろいろな社会的保護や補助が必要な人達は最初のステップをどう踏み出していいかも知らず、介護の出来ない自分の目の前にひろがる荒涼たる近未来の非日常の前で呆然と立ち尽くす人達をこそ助けなければならないと考えますが、厚労省の隠されたしかし明確な声はただ一つ。
カネがかかるから家で死んで下さい
というものです。

我々はレミングスの様に厚労省の思い通りの方向に誘導されるのでしょうか・・・。

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